子どもと子どもの本に対する熱い思い,ミルンやアトリー,バートンのこと,忘れられない人びととの出会い,愛する自然,食べ物や暮しのこと….新聞・雑誌などに折々に発表した文章と短い童話数編をまとめ,戦後50年の歩みをたどる.著者の人柄と思索のにじむ,初のエッセイ集.〔付〕著作リスト(翻訳を含む)・自筆年譜
石井さんと岩波子どもの本を立ち上げられた光吉夏弥さんのことを知りたくて、この本を読み始めました。
残念ながら光吉さんに関しての記載はありませんでしたが、石井さんが子どもの本に向けられた真摯な思いが伝わってきました。
初めて「クマのプーさん」に出会った時の感動は読者である私にもそのまま伝わってくるようでした。
「100まんびきのねこ」と「シナの五人きょうだい」を日本で出版されてたいと思っていた頃に手紙を通してやりとりをされた編集者はその両方の担当であったなど、鳥肌がたつようなエピソードがたくさんあります。
短いエッセイを集めた本なのですが、その中には瀬田貞二さん、井伏鱒二さんなどが出てこられて、これだけでも立派な日本児童文学史の感がありました。
石井さんが子どもの本に向けられた情熱を思うと、石井さんたちが残された本を子どもたちの世代で絶えさせることなく、次の世代にもつないでいきたいと強く願います。
子どもの絵本に関わる人たちにはぜひ読んでいただきたい本です。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子8歳)
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