あり塚で、そり遊びをしていたありのフェルダは、男の子にマッチ箱に閉じこめられてしまいます。なんとか箱から抜けだして、ひとり暮らしをはじめ、てんとう虫のベルシカに出会います。一目で好きになったフェルダは、バッタの馬車をプレゼントするために、バッタをつかまえにいきますが、木食い虫のピトリークさんが、おせっかいをやきにきます。その後、裏切り、逮捕、裁判と、さんざんな目にあうフェルダですが、なにがあってもへこたれません。
個性豊かな虫たちが、自然のなかで繰り広げる騒動は、ユーモアたっぷりで、なかなか刺激的です。この物語は、1930年代にチェコでうまれて以来、世界各地で多くの人をとりこにしてきました。
作者のセコラは、新聞記者としての経歴があり、取材を通して、人々の興味や気質を鋭くとらえたといわれています。そのせいか、登場する虫たちは、人間味にあふれ、起伏のあるストーリーは、読む人の心をつかんではなしません。読んであげれば、5歳ぐらいから十分に楽しめます。
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