生きていたからこそ今があるのですね
表紙の絵からは想像できないお話でした。
でも梯子でのぼって、空の星を取ろうとする姿は、命を掴もうとする象徴だったのですね。
実体験したからこそ語れる、広島原爆の話です。
集団疎開で広島を離れていたすえ子さんとふじ子さんは、どうして原爆投下の前日に広島に戻ってきていたのでしょう。
戻ってきていたからこそ、目のあたりにした家族の惨劇でした。
原爆の爆風でつぶされた家から、生きているのに柱にはさまれて逃げ出すことのできない姉を置いて、すえ子さんは家から出ました。
安否のわからない姉たちもいました。
両親は出かけていました。
ともかくすえ子さんは、ひとり生き延びたのです。
親を待ち続けるすえ子さんは、生き残ったことに喜びなど感じてはいなかったでしょう。
でも、今すえ子さんはひ孫たちにも囲まれて幸せです。
子どもたちは、すえ子さんが生きていてくれたからこそ生まれてきたのです。
まさに「生きていてくれて、ありがとう」は、小さくて大きな奇跡から生まれた言葉だと感じました。
すえ子さんが、アメリカ人と結婚したというエピソードも象徴的でした。
憎いのは戦争であって、あの原爆です。
敵国だったアメリカの人と、平和を語り合える家族であり得ることも、生きていたからこそできることです。
最後に出て来る家族写真には感動しました。
投稿日:2026/09/15

















































































































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