平和と戦争の絵本

2025年、私たちは戦後80年という節目の年を迎えます。80年前、日本は大きな戦争を経験し、多くの人々が悲しみや苦しみを味わいました。その記憶は、決して忘れてはならないものです。そして今この瞬間にも、世界では国同士が始めた戦争によって、心身に傷を負っている大人や子どもたちがたくさんいます。
絵本ナビでは、これまでの歴史から、今起こっていることまで、一人一人がしっかり自分の頭で考えていくための入り口となる本の大きな力を信じて、特集ページを作りました。
今年、親子で話し合い考えるきっかけに、また、さまざまな場所で、戦争と平和の本について取り上げるときの参考にしていただければと願っています。

年齢別

小さい子向け

「どうして戦争がおきるの?」「平和ってなに?」子どもたちからそんな問いかけがあった時に親子で開いてみてほしい戦争と平和の絵本。対象年齢は4歳〜を想定しています。

絵本

低・中学年向け

小学1年生から3年生の子どもたちには、今から80年前、何が起きたのか、戦争はどうして起こるのかを優しく分かりやすい言葉と絵で応えてくれる絵本や読み物を。同じくらいの年齢の子どもたちが主人公のお話には、より心に残るものがあるでしょう。

絵本

読み物

中・高学年向け

学校で「戦争」の歴史を学ぶ年齢の小学4年生から6年生の子どもたちには、教科書だけでは伝えきれない、深く心に響く絵本と読み物を。なぜ戦争が起きるのか、平和のために何ができるのか、さまざまな視点から考えを深めることを助けます。

絵本

読み物

中高生向け

日本が経験した戦争、世界各地の紛争、そしてこれまでの歴史…。学校で「戦争」について深く学んでいる中高生の皆さんへは、歴史的事実のさらに奥にあるもの、教科書だけでは知りえない真実、そして戦時下を生きた人々の複雑な思いをしっかりと受け取れる、読み応えのある読み物を。

読み物

大人向け

戦争と平和を描いた本の中から、大人も読みたい絵本や児童書、子どもに本を手渡すときに参考になるガイドブック、作家が綴った体験記などを集めました。
平和な世界を願い、戦争の悲惨さを子どもたちに伝え続けるために、この機会にぜひ手に取ってみてください。

絵本・読み物・ガイドブック


日本の戦争、世界の戦争

日本が体験した戦争に焦点を当てた絵本をご紹介します。当時の日本の暮らし、戦争によって変化した日常、そして戦争に翻弄されながらも懸命に生きた人々の姿が、絵本の言葉と絵によって臨場感を持って描かれています。戦争の記憶と平和への願いを語り継ぐために、ぜひこれらの作品を手に取ってみてください。

絵本

読み物

広島・長崎

絵本

読み物

沖縄

絵本

読み物

東京大空襲

絵本

読み物

犠牲になった動物たち

絵本と読みもの


第一次大戦・第二次大戦をはじめ、世界で起きた戦争を描いた絵本をご紹介します。戦時下の暮らし、人々の日常、戦争に翻弄された子どもたちの姿――絵本は、遠い過去の出来事を、子どもたちにも理解できる言葉と絵で優しく語りかけてくれます。当時の様子をしっかりと伝える絵本を通して、戦争の悲惨さや不条理さを知り、平和を築くことの尊さを学ぶために、ぜひたくさんの絵本を手に取ってみてください。

第一次大戦

絵本と読み物

第二次大戦

絵本と読み物

ホロコースト

絵本

読み物

中国・韓国

絵本と読み物

第二次世界大戦後の戦争、紛争、内戦

ベトナム

絵本と読み物

アフガニスタン

絵本と読み物

イラク

絵本と読み物


今、起きている戦争

今、世界では悲しい出来事が続いています。その中でも、2022年から続くウクライナでの戦争や、ガザ地区の子どもたちが置かれている状況は、私たちの胸を締め付けます。
世界で起こっていること、そこで暮らす人々の思いを伝える絵本や読み物をご紹介します。日常を奪われた子どもたち、故郷を離れて避難する家族。苦しむ子どもたちに心を寄せ、私たちができることを考える一歩となることを願います。

ウクライナ

絵本と読み物

パレスチナ

絵本と読み物

難民問題を考える

絵本と読み物


平和への願い

平和の大切さを訴える絵本がさまざまな表現で生み出されています。さまざま複雑な状況の中で、絵本は、想像を助け、ひとりひとりの心に平和について考えるきっかけを与えてくれます。心に引っ掛かったものから手にとってみませんか。

絵本


読み聞かせ


新刊&出版社おすすめ

今年は、絵本・児童書出版社さんから平和を願う作品が多数出版されています。
その中から、特に手に取っていただきたい、本を囲んで考えていただきたい作品を集めました。


今、読まれています

平和と戦争をテーマにした絵本の中で、今、絵本ナビで多く見られている作品、手に取られている作品のランキングです。


関連記事


レビュー

ベトナムのダーちゃん

ヒラP21

70代以上 その他の方 千葉県

ベトナム戦争に考える

偶然手にした本ですが、過去のこととして片付けてしまうには、あまりに軽薄な気持ちにさせられました。
ベトナム戦争の最中、早乙女勝元さんがブダベストで行われた平和会議で出会ったベトナムの少女、ダーちゃんに思いを込めて書かれた本です。
日本では戦争は終わったけれど、日本を基地としたアメリカ軍がベトナムで非人道的な戦争を行なったことを改めて考えました。
あれから50年以上が過ぎたけれど、正に同じ様な事が繰り返されています。
ダーちゃんは、目の前で親を殺され逃げ惑った少女です。
早乙女さんは東京大空襲体験者として、彼女に思いを寄せ、戦争に対する怒りと悲しみを綴るのです。
早乙女さんがダーちゃんと出会った後も、彼女は戦争の中に戻ることになりました。
彼女がその後どうなったか、早乙女さんが追い続けるスタートになった本です。
この先を見届けずにいられません。

投稿日:2025/10/22

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ペドロの作文

さくらっこママ

40代 ママ 東京都 女の子9歳、男の子7歳

市民の目線から

このお話は、娘・息子、ともに印象の強いお話だったようです。このお話に描かれた世界では何が起こっているのだろう、この先、何が起こるのだろうと、子どもが息をひそめてしっかりとお話を聞いてくれました。「独裁」を市民の目線から感じることができるお話でした。

投稿日:2025/10/16

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史実を読み取る

孤児院で暮らす子どもたちが一人ひとり紹介されるスタイルで、この絵本は、進行していきます。
みんながユダヤ人なのでしょうか。
コルチャック先生(ドクトル先生)は、ここで「子どもの権利」に付いて主張してきました。
そこで忘れてはいけないのは、戦争前夜であることです。
悲しいことに、第二次世界大戦でユダヤ人は、ナチスによって収監され悲しい運命をもたらせたことを知っています。
コルチャック先生は、ユダヤ人ではないのですが、子どもたちと一緒に行動して、ナチスに身を委ねるのです。
ここまでの知識を持ってこの絵本を読むと、何も予感していない子どもたちが哀れでなりません。

投稿日:2025/10/09

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新しい世代がつなげてくれた

今年(2025年)は「戦後80年」ということで、出版界でも多くの関連本が刊行されています。
 それは新書であったり人文系の書籍に限ったわけでもなく、
 長田真作さんのこの『赤い日 じいちゃんの見た戦争』のように
 絵本でもあの戦争を振り返る作品が出版されたりしています。

 長田さんは1989年生まれですから、もちろん先の太平洋戦争のことは知らない世代です。
 その戦争を、そして長田さんの出身地である広島・呉市を襲った空襲を経験したのは、
 副題にあるように長田さんの祖父です。
 あの戦争を体験した世代から、すでに次の、さらに次の世代になっていることに
 少し驚きすら感じますが、
 そんな若い世代がちゃんと祖父の話を聞き、それを記憶し、こうして絵を描き、文を綴る。
 こういう若い人がいることを心強く思います。

 長田さんの祖父は病気で入院していた頃、まだ少年だった長田さんに、
 「お前が聞かんかったら、話すつもりはなかったんじゃがのう」と言いつつ、
 軍港都市であった呉を襲った空襲での悲惨な体験を話し始めます。
 おそらく、日本全国であの戦争での話を語ることなく亡くなっていった多くの無名の人たちがいたでしょう。
 そういった語られなかった声も含め、もっとあの時代の話に耳を澄ませるべきだと、
 この絵本は教えてくれています。

投稿日:2025/10/05

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わたしの町 ナガサキ 原爆を生きのびた柿の木と子どもたち

てんちゃん文庫

50代 ママ 佐賀県 女の子23歳、男の子20歳、女の子16歳

広く読まれてほしい作品

図書館の新着コーナーにあったので思わず手に取りました。
長崎の被爆樹木のひとつであるクスノキを見に行った直後だったからかもしれません。
この本は被爆しつつも樹木医の方の手によって回復した柿の木を題材にしています。
注目すべきは、この本はイタリア語で書かれ、イタリアにて出版された本の翻訳だということです。
この柿の木から生まれた苗木はは世界各地に植樹され、特にイタリア国内には50ヶ所近くも植えられているようです。
日本から遠く離れたイタリアで、日本での出来事を元に平和と命の大切さについて子どもたちと学ぶ活動を続けていらっしゃる方が存在していることに感銘を受けました。

ひとつ残念なのは、現実に即したお話なのに添えられた絵がファンタジーテイストなことです。
当時の日本の風俗ではなく、朝鮮半島風の文化をベースに古代日本と中国の髪型や服装を混ぜたようなふわっとした東アジアのイメージで描かれている感じがしました。

しかし、そこを差し引いても日本国内であまり広く知られているとは言えないこの柿の木プロジェクトのことを子どもたちに伝えるのには素晴らしい内容の本だと思いました。
ぜひ小学生に紹介したい本です。

投稿日:2025/09/27

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平和を考える絵本
小さい子と考える、戦争と平和の絵本
戦争と平和の絵本(日本と戦争)
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戦争と平和の絵本(第二次世界大戦から学ぶ)
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戦争と平和の絵本・読み物(ウクライナを知る)
戦争と平和の絵本・読み物(ガザの子どもたち)
戦争と平和の絵本・読み物(中東とアフガニスタン)
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