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夏の雨

パパ・70代以上・埼玉県

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夏の雨さんの声

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自信を持っておすすめしたい 骨まで愛して   投稿日:2026/02/08
さかなを たべた あとの ほね
さかなを たべた あとの ほね 絵・作: 加藤 休ミ
出版社: 福音館書店
魚を食べるのが苦手という子供は結構いる。
 子供だけには限らない。大人にだって、苦手という人はいる。
 何が苦手かというと、魚の骨をとることだ。
 特に小骨。喉に刺さったという経験は誰しもあるだろう。
 その一方で、魚の身を巧みにとる名人のような人もいる。
 その人が食べ終わったあとの魚の骨の見事さ、華麗さのなんと美しいことか。
 加藤休ミさんの絵本『さかなをたべたあとのほね』は、
 そんな陶然とする美しさを描いた作品だ。

 加藤さんはクレヨンとクレパスを用いて、おいしい食べ物を描く絵本作家。
 これまでにも加藤さんの作品にどれだけ満腹感を味わってきたことか。
 今回のテーマは魚。
 しかも、魚料理の絵だけでなく、食べ終わったあとの骨のさままでを描いた傑作。
 描かれているのは、イワシ、カレイ、アマダイ、カワハギ。
 料理の仕方も焼いたり煮たり。
 それぞれの魚は味も違うように、食べ終わったあとの骨のさまも違う。
 そのあたりもじっくり鑑賞(!)したい。
 最後のページに骨まで食べてしまうシシャモが描かれていて、
 加藤さんのユーモアのセンスもおいしい。
 個人的にはサンマの骨も描いて欲しかったけれど。

 それにしても、食べたあとの魚の骨までおいしく見えてしまうなんて、
 加藤さんの細密絵画はどんな調理方法なのだろう。
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自信を持っておすすめしたい 実際のコントで見てみたい作品もあります   投稿日:2026/02/04
星新一YAセレクション(3) ゆきとどいた生活
星新一YAセレクション(3) ゆきとどいた生活 作: 星 新一
絵: 和田 誠

出版社: 理論社
 『星新一YAセレクション3』(理論社)。
 表題作である「ゆきとどいた生活」をはじめとして、15篇の「ショートショート」が収められた、YAすなわちヤングアダルト向けの児童書。
 ちなみに、「ヤングアダルト」は子供と大人の間の世代を指す言葉で、13歳頃から19歳頃までの若者のことをいいます。
 装幀・挿絵(それぞれの作品に挿絵がついています)は、和田誠さん。

 お笑いのひとつのジャンルとして、「コント」という言葉をよく耳にします。
 寸劇風の演芸のことを指しているようで、漫才とは違った可笑しみがあります。
 この巻に収録されている「流行の鞄」を読んで、「コント」のことを思い出しました。それほど、面白い一篇でした。
 内容は、まず二人の男が出てきて、同じ「流行の鞄」を持っていたせいで、どちらの男のものかわかりません。開ければいいのですが、互いに見せたくないものがはいっています。二人がもめていると、別の男がやってきて、また同じ鞄が混ざり込んでしまいます。この男も中身は見せたくない。だから、どれが自分の鞄かわからない。さらにもう一人も。この男たちがみんな犯罪にからんでいて、そこに刑事がやってきて・・・。
 同じ鞄をあいだにして、男たちのやりとりや焦りが面白い。
 きっと実際の寸劇にしたら面白いはず。

 その他にも、つけぼくろで自分の人生が変わる「顔のうえの軌道」やオチが面白い「悪をのろおう」、風変りなペットを飼う男を描いた「水音」など、この巻も楽しい。
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自信を持っておすすめしたい 新しいシリーズの2巻めです   投稿日:2026/02/01
新あらしのよるにシリーズ(2) あたらしいかぞく
新あらしのよるにシリーズ(2) あたらしいかぞく 作: きむら ゆういち あべ 弘士
出版社: 講談社
380万部を超えるロングセラーとなった『あらしのよるに』シリーズは、
 食うもの(オオカミ)と食われるもの(ヤギ)であった生き物の友情を描いた作品で、
 最初の刊行が1994年ですから、すでに30年以上経ちます。
 その新しいシリーズとして『新あらしのよるに』の刊行が始まったのが2025年で、
 最初の巻は『あいことばはあらしのよるに』でした。
 新しいシリーズでは「家族」がテーマになっていて、
 オオカミのカブとヤギのメイのところに子リスがとびこんできたところまでがこれまでのお話。
 新シリーズ2巻めとなる『あたらしいかぞく』は、タイトルも「かぞく」とはいっているように、
 より鮮明にオオカミとヤギとリスという不思議な家族の姿が描かれています。

 ヤギのメイには母親らしい愛情はありますが、オオカミのカブには父親という自覚はあまりありません。
 それでも子リスのポイに、小動物がどのように敵から身を守るかを教えていくうちに、次第に心がほどけていきます。
 そのあたりのカブの心情を、作者のきむらゆういちさんは巧みに表現しています。

 ある時、ポイがいなくなります。
 見えなくなった子リスを懸命に捜すオオカミとヤギ。
 三匹はそれぞれ違う生き物ですが、それでも「あたらしいかぞく」としてまとまっていきます。
 これから、ポイの本当の母親を探す旅が始まるのですが、それはまだこれからのお話。

 この絵本、絵はもちろんあべ弘士さんです。
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自信を持っておすすめしたい つぎにくるのも美しい物語   投稿日:2026/01/25
世界をもっとうつくしく
世界をもっとうつくしく 作: アンジェラ・バーク・クンケル
絵: ベッカ・スタッドランダー
訳: 福本 友美子

出版社: ほるぷ出版
絵本の世界は広い。
 落語や怪談話が絵本になることもあれば、
 この作品のように「伝記」も絵本になることがあります。
 もちろん、そうはいっても誕生してから亡くなるまでの、しかも「伝記」にしたくなるくらいの人物であれば、
 どれだけのページ数があっても足りないくらいのところを、
 十数ページの絵本で表現するともなれば、その方法は難しい。
 絵本作家バーバラ・クーニー(1917−2000)の「伝記絵本」となる
 この『世界をもっとうつくしく―絵本作家バーバラ・クーニーがのこしたもの』は、
 困難な創作であったろうが、実にうまくひとつの作品に仕上げています。
 その功績は、おそらく言葉の美しさにあるように思います。
 特に最終段のあたり、こうあります。
 「さいごのページをめくれば、この本はおしまいになります。
 そしてまた、だれかがあたらしい本をひらくのです。
 つぎにどんな物語がはじまるのか、だれもしりません。」

 ところで、絵本作家バーバラ・クーニーの名前を目にしてもわからない人も多いのでは。
 でも、彼女が書いた『ルピナスさん』なら、読んだことのある人はたくさんいるでしょう。
 彼女があの絵本を描こうとした世界観を、この「伝記絵本」は見事に再現したといえます。
 書いたのはアメリカの作家アンジェラ・バーク・クンケルさん、絵はベッカ・スタッドランダーさん。
 バーバラ・クーニーさんがのこしたものをつないだ人たちです。
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自信を持っておすすめしたい 悲しみを乗り越えて   投稿日:2026/01/18
ひとつひとつのいのちに
ひとつひとつのいのちに 作: マーラ・フレイジー
訳: 梨木 香歩

出版社: ひさかたチャイルド
1995年1月17日早朝5時46分に発生した大地震から31年めの朝を迎えた被災地神戸。
 のちに阪神淡路大震災と呼ばれることになるこの震災で、6400余名の人が亡くなりました。
 昨日の朝、同じ時刻に手を合わせる多くの人がいて、また涙を流す人の姿に、
 あの日のことがよみがえってきます。
 失った悲しみは癒えることがありません。

 2024年にコルデコット賞オナーブックを受賞した、
 マーラ・フレイジーさんの絵本『ひとつひとつのいのちに』に描かれた
 人生のさまざまなシーンと短い文章に、
 この大震災で犠牲となった人たちのことや残された人たちの悲しみが二重写しになります。
 誰もが大きな喜ぶをもって迎えられた「誕生」、育まれていく「愛」、
 はじける笑顔、結び合う手と手、
 それでもやってくる悲しみ。
 「かなしみにしずむ」「そのひとりひとりに やがてなぐさめが」
 『西の魔女が死んだ』などで多くのファンを持つ梨木香歩さんの柔らかな翻訳が胸をうちます。。

 阪神淡路大震災だけではなく、東日本大震災、熊本地震、能登の震災と
 たびたび大きな災害がこの国に悲しみをもたらしてきました。
 災害だけではなく、生きていくことは、愛する人を失うという悲しみから逃れられません。
 それでも、いのちがあるかぎり、前を向くしかありません。
 「愛につつまれている そのひとつひとつ」のいのちこそ尊いのです。
 この絵本はそんないのちの尊さを静かに伝えるメッセージです。
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自信を持っておすすめしたい 切れ味抜群の結末を楽しもう   投稿日:2026/01/16
星新一YAセレクション(2) 殺し屋ですのよ
星新一YAセレクション(2) 殺し屋ですのよ 作: 星 新一
絵: 和田 誠

出版社: 理論社
 『星新一YAセレクション2』(理論社)。
 表題作である「殺し屋ですのよ」をはじめとして、15篇の「ショートショート」が収められた、YAすなわちヤングアダルト向けの児童書。
 ちなみに、「ヤングアダルト」は子供と大人の間の世代を指す言葉で、13歳頃から19歳頃までの若者のことをいいます。
 装幀・挿絵(それぞれの作品に挿絵がついています)は、和田誠さん。

 ショートショートの面白さは、なんといっても結末の意外さです。
 それでいえば、表題作の「殺し屋ですのよ」も面白い。それに、このショートショートを題材にした和田誠さんの表紙のイラストもいい。実際、こんな殺し屋がいそう。
 この殺し屋は女性で、どんな武器も使わないという。しかも、確実に殺してみせると。そして、依頼を受けた相手は実際に死んでしまう。一体、どんな技を彼女は持っているのか。そのわけがちゃんとラストに書かれています。

 結末の意外さでいえば、「生活維持省」という作品も面白い。
 生活維持省で働く二人の男がいます。二人の仕事は増える人口を抑制するために、無作為に選ばれた国民を殺していくというもの。そして、最後で選ばれたのが・・・。
 なんともうまい結末です。

 ショートショートにしては少し長い作品になりますが「処刑」は、以前NHKでドラマ化されたこともあって、演出次第では重厚なドラマになりうるよくできたSFです。
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自信を持っておすすめしたい これってすごく怖い   投稿日:2026/01/11
因果ばなし
因果ばなし 企画・原案: 小泉 八雲
作: 円城 塔
絵: 中川 学
編集: 東 雅夫

出版社: 岩崎書店
ひと昔前のような驚異的な視聴率はとれませんが、
 それでもNHK連続テレビ小説(通称 朝ドラ)の影響力は大きい。
 漫画家やなせたかし夫婦をモデルとした第112作め「あんぱん」にしろ
 『怪談』などで有名な小泉八雲夫婦をモデルとした第113作め「ばけばけ」にしろ、
 モデルが表現者として活躍した人物だけに、それぞれが作品を書いていて、
 朝ドラになることでその作品までもが新たに見直されることになる。
 それは絵本の世界にも広がっていて、
 この『因果ばなし』は「八雲えほん」の中の一冊として2025年10月に出版された。

 しかも、絵本としては贅沢なつくりで、
 原作は小泉八雲、翻案が芥川賞作家の円城塔、シリーズ編者に文芸評論家の東雅夫という豪華布陣。
 絵は僧侶にしてイラストレーターでもある中川学で、中川の絵が絵本とは思えないほど怖い。
 そもそもこの『因果ばなし』の話が怖い。
 病におかされ、死のふちにいる大名の妻が側室のかわいさを妬んで、側室の体に取り憑いてしまう。
 どうしても妻の死体が離れず、ついには腕を残して切断してしまうのだが。
 おそらく、八雲が再録した怪談ばなしの中でも、怖さ度が高いのではないだろうか。

 こういう怖い話が絵本になるのだから、
 朝ドラの影響力の方がもっと怖いといっていい。
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自信を持っておすすめしたい なつかしいな、あの頃の正月準備   投稿日:2025/12/28
もうすぐおしょうがつ
もうすぐおしょうがつ 作・絵: 西村 繁男
出版社: 福音館書店
今年(2025年)は曜日まわりがいいのでしょう、
 年末年始のお休みが9日も続くという人も多いようです。
 すでに故郷に帰省をしている人もいると思います。
 ゆっくりする人もいれば、お正月準備で忙しい人もいるでしょう。
 西村繁男さんの『もうすぐおしょうがつ』は、この時期ならではの絵本です。

冬休みにおじいさんとおばあさんの家でお正月を迎える家族の様子を描いたこの絵本を読んで、
 子供の頃の、昭和30年代から40年代にかけての、ことを思い出して胸がきゅんとなりました。
 どんな場面かというと、例えば「もちつき」の場面。
 石臼でもちをついていたのは、いつ頃までだったでしょう。
 ついたもちを「もちばこ」にいれて運んで、鏡もちや雑煮にいれる丸もちをこしらえる。
 関西ではお正月は丸まちでした。
 つき終わったもちを近所の親戚の家に持っていく。

 あるいは、大晦日にお正月に着る新しい下着を用意するなんていうことは、
 子供の頃にはたしかにあった習慣です。
 この絵本に描かれている「もうすぐおしょうがつ」のさまざまな生活シーンが
 今ではあまり見かけなくなった光景です。
 なので、子供たちにこの絵本を読んであげる時には説明が必要かもしれませんが、
 それはきっと古いアルバムを開く時の、
 なんだか甘酸っぱい思い出話をするような感じだと思います。
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自信を持っておすすめしたい 乗り物大好きな子供たちに   投稿日:2025/12/24
はたらくくるまたちのクリスマス
はたらくくるまたちのクリスマス 作: シェリー・ダスキー・リンカー
絵: AG・フォード
訳: 福本 友美子

出版社: ひさかたチャイルド
男の子ってどうしてあんなにも車などの乗り物が好きなのでしょう。
 今に始まったことではなく、昭和の時代でもミニ四駆とかミニカーに夢中になっていたし、スポーツカーが登場する漫画がブームにもなりました。
 チョロQなんていうミニカーが流行った時代もありました。
 レーシングカーを主人公にしたディズニーのアニメ映画「カーズ」にはまった男の子もいるし、絵本の世界でも「はたらく車」を題材にした作品はたくさん出版されています。
 最近はゴミ収集車も絵本で描かれたりします。

 シェリー・ダスキー・リンカーさんが文を書き、AG・フォードさんが絵を描いている、アメリカの絵本『はたらくくるまたち』シリーズは、「ニューヨークタイムズ」のベストセラーリストにはいるなど、人気が高いくるま絵本です。
 そのシリーズからクリスマスバージョンとして刊行されたのが、この『はたらくくるまたちのクリスマス』。
 クリスマスを前にして働く車たちが集まって、今年最後の大仕事をしています。
 ブルドーザー、ショベルカー、ミキサーしゃ、ダンプカー、クレーンしゃ。
 イブの夜には彼らのところにもサンタさんからのプレンゼントが届きます。
 彼らはいったい何を作っていたのでしょう。
 彼らが作ったものにも、はたらくくるまが登場する仕掛けになっています。

 この絵本のカバーの雪はキラキラ光るラメ加工が施された、素敵な仕上げ。
 もしかしたら、イブの夜にはこんな絵本が届くかも。
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自信を持っておすすめしたい 今年は「あんぱん」に夢中   投稿日:2025/12/21
アンパンマンのサンタクロース
アンパンマンのサンタクロース 作・絵: やなせ たかし
出版社: フレーベル館
12月も終盤にさしかかると、何かと忙しい。
 それでも今年一年を振り返るのも、この時期ならではのこと。
 NHKの連続テレビ小説(通称 朝ドラ)の「あんぱん」を楽しませてもらったのは
 春から夏にかけての半年。
 モデルとなった漫画家やなせたかしさんの関連本も何冊か読みました。
 やなせたかしさんといえば、やはり代表作は「アンパンマン」。
 朝ドラでもその誕生する過程が描かれていました。
 絵本になったのは1970年代のはじめ。
 その後、1988年にテレビアニメ化され、国民的な人気者になります。

 そんなアンパンマンがクリスマスにあわせて絵本になったのが
 この『アンパンマンのサンタクロース』です。
 初版は1981年で、アニメ化される前の初期のアンパンマン絵本です。
 しかし、この絵本はアンパンマン絵本の中でもとてもよく読まれている一冊で
 発行部数は100万部を超えているそうです。
 そして、この絵本のアンパンマンには現在のアンパンマンとの違いがあります。
 表紙でもはっきりわかります。
 そう、この絵本のアンパンマンは指がちゃんと描かれています。
 現在はグーの手をしていますから、そういう点でも貴重な絵本といえます。

 もちろん、この絵本にはしょくぱんマンもカレーパンマンも登場します。
 そして、クリスマスといえば、サンタクロースも。
 豪華キャスト総出演の、クリスマス絵本です。
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