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夏の雨

パパ・70代以上・埼玉県

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夏の雨さんの声

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自信を持っておすすめしたい 乗り物大好きな子供たちに   投稿日:2025/12/24
はたらくくるまたちのクリスマス
はたらくくるまたちのクリスマス 作: シェリー・ダスキー・リンカー
絵: AG・フォード
訳: 福本 友美子

出版社: ひさかたチャイルド
男の子ってどうしてあんなにも車などの乗り物が好きなのでしょう。
 今に始まったことではなく、昭和の時代でもミニ四駆とかミニカーに夢中になっていたし、スポーツカーが登場する漫画がブームにもなりました。
 チョロQなんていうミニカーが流行った時代もありました。
 レーシングカーを主人公にしたディズニーのアニメ映画「カーズ」にはまった男の子もいるし、絵本の世界でも「はたらく車」を題材にした作品はたくさん出版されています。
 最近はゴミ収集車も絵本で描かれたりします。

 シェリー・ダスキー・リンカーさんが文を書き、AG・フォードさんが絵を描いている、アメリカの絵本『はたらくくるまたち』シリーズは、「ニューヨークタイムズ」のベストセラーリストにはいるなど、人気が高いくるま絵本です。
 そのシリーズからクリスマスバージョンとして刊行されたのが、この『はたらくくるまたちのクリスマス』。
 クリスマスを前にして働く車たちが集まって、今年最後の大仕事をしています。
 ブルドーザー、ショベルカー、ミキサーしゃ、ダンプカー、クレーンしゃ。
 イブの夜には彼らのところにもサンタさんからのプレンゼントが届きます。
 彼らはいったい何を作っていたのでしょう。
 彼らが作ったものにも、はたらくくるまが登場する仕掛けになっています。

 この絵本のカバーの雪はキラキラ光るラメ加工が施された、素敵な仕上げ。
 もしかしたら、イブの夜にはこんな絵本が届くかも。
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自信を持っておすすめしたい 今年は「あんぱん」に夢中   投稿日:2025/12/21
アンパンマンのサンタクロース
アンパンマンのサンタクロース 作・絵: やなせ たかし
出版社: フレーベル館
12月も終盤にさしかかると、何かと忙しい。
 それでも今年一年を振り返るのも、この時期ならではのこと。
 NHKの連続テレビ小説(通称 朝ドラ)の「あんぱん」を楽しませてもらったのは
 春から夏にかけての半年。
 モデルとなった漫画家やなせたかしさんの関連本も何冊か読みました。
 やなせたかしさんといえば、やはり代表作は「アンパンマン」。
 朝ドラでもその誕生する過程が描かれていました。
 絵本になったのは1970年代のはじめ。
 その後、1988年にテレビアニメ化され、国民的な人気者になります。

 そんなアンパンマンがクリスマスにあわせて絵本になったのが
 この『アンパンマンのサンタクロース』です。
 初版は1981年で、アニメ化される前の初期のアンパンマン絵本です。
 しかし、この絵本はアンパンマン絵本の中でもとてもよく読まれている一冊で
 発行部数は100万部を超えているそうです。
 そして、この絵本のアンパンマンには現在のアンパンマンとの違いがあります。
 表紙でもはっきりわかります。
 そう、この絵本のアンパンマンは指がちゃんと描かれています。
 現在はグーの手をしていますから、そういう点でも貴重な絵本といえます。

 もちろん、この絵本にはしょくぱんマンもカレーパンマンも登場します。
 そして、クリスマスといえば、サンタクロースも。
 豪華キャスト総出演の、クリスマス絵本です。
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自信を持っておすすめしたい 星新一さんの作品から面白い作文のコツを学ぶ   投稿日:2025/12/18
星新一YAセレクション(1) 死体ばんざい
星新一YAセレクション(1) 死体ばんざい 作: 星 新一
絵: 和田 誠

出版社: 理論社
 『星新一YAセレクション1』(理論社)。
 表題作である「死体ばんざい」をはじめとして、12篇の「ショートショート」が収められた、YAすなわちヤングアダルト向けの児童書。
 ちなみに、「ヤングアダルト」は子供と大人の間の世代を指す言葉で、13歳頃から19歳頃までの若者のことをいいます。
 装幀・挿絵(それぞれの作品に挿絵がついています)は、和田誠さん。

 星さんの作品だからすべて完璧ということはさすがになくて、この巻でも数編は消化不良と感じる作品もないわけではありません。
 その一方で、とてもよく出来ていると読み終わってうれしくなる作品もあります。
 そのひとつが表題作の「死体ばんざい」。
 ショートショートとしては少し長めの作品ですが、それでもあっという間に読めて、それでいてドキドキしてしまうのですから、さすがというしかありません。
 地方で急死した旅行者の遺体を都会へ届けるために夜の道路を走る1台の霊柩車。と、気が付くと乗せたはずの死体がありません。驚いたのは、霊柩車を運転してきた男たち。元来た道を引き返すと、運よく死体を見つけますが、棺桶がありません。それでもいいやと霊柩車に乗せて再出発。ところが、休憩場所で死体を盗まれることに。
 この死体、このあとも転々と持ち主(?)を変えていきます。
 どんなオチになるのか気になりますが、この話が面白いのは転換の妙。
 それとよく似た、どんどん転換していくお話は巻頭の「影絵」という作品。

 星さんの作品は、面白い作文を書くコツを教えてくれます。
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自信を持っておすすめしたい もういくつ寝るとクリスマス   投稿日:2025/12/14
クリスマスのくつした
クリスマスのくつした 作: エリナー・ファージョン
訳: 石津 ちひろ
絵: ほりかわりまこ

出版社: のら書店
「もういくつ寝るとお正月(略)早く来い来いお正月」は、童謡「お正月」の歌詞だが、
 これが出来たのが明治34年だとか。
 きっと今よりはうんとお正月が楽しみな時代だったのでしょう。
 今、「もういくつ寝ると」とお正月より楽しみにしているのがクリスマスではないかしら。
 クリスマスまで毎日数えていく仕掛けの「アドベントカレンダー」もたくさんあって、
 気分を盛り上げてくれます。
 この『クリスマスのくつした』もそんな気分になれる絵本です。

 詩(この絵本では文ではなく、詩となっています)を書いたのは、
 イギリスの児童文学作家・詩人であるエリナー・ファージョンさん。
 その詩に訳をつけたのが石津ちひろさんで、絵はほりかわりまこさん。
 つまり、この作品はエリナーさんの詩を日本の人たちが素敵な絵本にこしらえたもの。
 特に、いいなと感じたのは、
 読みすすめていくことでどんどんクリスマスに近づいていく工夫がしつらえていること。
 ノンブルというページのすみにあるページ番号が24からはじまって
 次第に数が減っていく「アドベントカレンダー」のようになっています。
 ページを繰るとクリスマスが近づく。
 まるで、夢みたい。

 詩を書いたエリナー・ファージョンさん(1881-1965)は,
 アンデルセンにつづくファンタジーの大家として知られていて、
 第1回の国際アンデルセン賞を受賞したイギリスの作家。
 代表作に『ムギと王さま』などがあります。
 この絵本と合わせて、クリスマスプレゼントにどうでしょう。
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自信を持っておすすめしたい あべ弘士の魔力に誘られて   投稿日:2025/12/07
しんしん ゆきの ふるばんに
しんしん ゆきの ふるばんに 作: あべ 弘士
出版社: ひかりのくに
 「あべ弘士の魔力で、雪の夜の森へ誘う」と、出版社の宣伝惹句にあるこの『しんしんゆきのふるばんに』を読むと、確かに作者であるあべさんの「魔力」を感じます。
 「魔力」とは、作品の世界に引き込まれるというもの。

 実はこの絵本の「魔力」は、すべてひらがなで書かれたタイトルから発揮しています。
 まず、「しんしん」。擬態語といわれるオノマトペで、「ひっそりと静まりかえっているさま」を指す言葉です。
 日本語の美しさを感じます。
 これとよく似た言葉が、この絵本ではほかにもあります。
 雪の降る夜の森を歩いている、一匹のきつね。その耳に聞こえてくる、「コンコンコン」という音。これもオノマトペです。
 それはきつつきが木の幹をつつく音。
 きつつきは電報を打っているところと話します。

 このあと、きつねは飛び出してきたゆきうさぎや土の中から冬眠しているクマの寝言を聞いたりします。
 静かだから聞こえてくる、さまざまな音。
 いつの間にか、読者もきつねと一緒に雪の夜の森に、深くふかく入り込んでいます。
 そういえば、「しんしん」を漢字で書くと、「深深」とか「森森」とかになるのだとか。
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自信を持っておすすめしたい どんなおうちが理想?   投稿日:2025/11/30
いえでします!
いえでします! 作: 浜田 桂子
出版社: 理論社
昔、家出をしたことがあります。
 といっても、中学校の友達に家に逃げ込んだだけですから、
 家出というほどもこともありませんが。
 原因は、親から嫌なことを強要されたことでしたが。
 浜田桂子さんの『いえでします!』という絵本を見つけた時に、
 そんな半世紀以上昔のことを思い出しました。
 表紙の男の子は家出のためにバックいっぱいにおもちゃとか詰めていますが、
 私の場合は何も持ちませんでした。
 まあ、友達の家に行っただけと言われたら、それまでですが。

 絵本の中の子どもたちの家出も、なんだかそんな他愛もないもの。
 お兄ちゃんと同じ部屋がいやだ、というのが家出したい理由。
 では、どんな部屋はいいのかと聞かれて、思い浮かべた理想の部屋の姿。
 自分だけのベッドがあって、自分だけのテレビがあって、自分だけの冷蔵庫もあって。
 と、友達のひとりが、自分ならこんな部屋がいいと話し出す。
 さらに、別の友達も、自分の夢の部屋はこうだと言い出して。
 子供たちの個性が部屋の表情を変えるのが面白い。
 それで、いつの間にか家出の話はどこかにいってしまって。

 理想の家なら家出をしなくてもいいのですが、
 そんなに甘いはずもありません。
 でも、夢ならいくらでも語れるはず。それも楽しい。
 少なくとも、家出よりは。
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自信を持っておすすめしたい 児童書でも「ばけばけ」   投稿日:2025/11/25
小泉セツとハーンの物語 ー小泉八雲「怪談」誕生のひみつー
小泉セツとハーンの物語 ー小泉八雲「怪談」誕生のひみつー 著: 三成 清香
絵: 長田結花

出版社: 少年写真新聞社
NHKの連続テレビ小説(通称 朝ドラ)は、今や出版界にとっては欠かせないコンテンツだ。
 取り上げられる主人公が実際にいた人物がモデルの場合、多くの関連本が書店に並ぶ。
 昔のようなオバケ的な視聴率はないものの、それでも全国ネットで高い視聴率ともなれば、
 そこに登場する人物たちが実際にはどんな人たちだったのかと考えるのは極めてまっとうなことだ。
 2025年後期の放送となる第113作めの朝ドラ「ばけばけ」は、
 小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)とその妻セツがモデルで、
 その関連本もたくさん出版されている。

三成清香さんの『小泉セツとハーンの物語』も2025年8月刊行だから、当然朝ドラを意識したものだが、
 少年写真新聞社という児童向けの出版社から「児童書」として刊行されている点ではユニークな一冊といえる。
 しかも、三成さんが島根の出雲出身であることや専門が比較文学で主に小泉八雲の研究だというのだから、
 その内容は大人が読んでも十分に満足できる。

 セツの生家や養家の貧しさは朝ドラでも描かれているが、
 この本の中でも貧しさからくる生活の苦境はきちんと記されているし、
 一方のハーンの方の数奇な運命もこの本から学ぶことはたくさんある。
 そんな二人が出会い、のちに『怪談』という名作が誕生していく姿が丁寧に描かれている。

 互いの言語がうまく話せなかったセツとハーンですが、それでもともに生活をしていく二人の姿に、
 言葉が通じあわなくとも心が通い合えることの大切さが
 著者の三成さんは「コミュニケーション」として大事だといいます。
 「朝ドラ」であげることができますよ、「コミュニケーション」力。
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自信を持っておすすめしたい この絵本、しみじみと読みました   投稿日:2025/11/16
ぼくのおじいさん
ぼくのおじいさん 作: 飯野 和好
出版社: 偕成社
絵本作家・飯野和好さんは1947年に埼玉県の秩父の山間で生まれました。
 そこはたった3軒だけの集落でしたが、とても自然豊かなところでもありました。
 そんな少年時代の思い出を、飯野さんは絵本『ぼくとお山と羊のセーター』(2022年)で描いています。
 この『ぼくのおじいさん』はその姉妹編で、
 先の作品と同じ、飯野さんの少年時代一緒に暮らしたおじいさんの姿が
 とても生き生きと描かれています。

 明治生まれのおじいさんは、マムシをつかまえるのがうまかったり、
 きのこがたくさん生えている秘密の場所を知っていたり、
 山の空気で天気がわかったりする、すごい人なのです。
 木刀のつくり方を教えてくれたりするやさしい人でもありますが、
 いたずらが過ぎると「このバチアタリがあ!!」とすごい顔で怒る人でもあります。
 この時におじいさんの怒った顔が、絵本見開きいっぱいに描かれていて、
 おっかないのに、どこか笑えてくるのは、飯野ワールドの魅力でしょう。

 おじいさんが暮らしのいたるところにいる神様をとても大事にして暮らしていて、
 そういえば昔は「カマドの神様」みたいな身の周りの神様をみんなが大事にしている、
 そんな暮らしが普通にあったことを思い出しました。
 決して豊かではないけれど、幸福であったこと。
 いつの間にか、そういうものをなくしてしまっていることを、この絵本は思い出させてくれることでしょう。
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自信を持っておすすめしたい 甲斐信枝さんならではの小宇宙   投稿日:2025/11/09
きゃべつばたけのぴょこり
きゃべつばたけのぴょこり 作: 甲斐 信枝
出版社: 福音館書店
甲斐信枝さんが描く絵本のファンは多い。
 2023年11月30日、93歳で亡くなった甲斐さんは、
 その晩年の2016年には里山で植物や虫たちと向き合う姿がドキュメント番組になるなど、
 「足元の小宇宙」を見つめる絵本作家として評価が高い。
 じっと見つめることで、世界の真実が見えてくる。
 そんな絵本作家だろう。

 そんな甲斐さんが描いた『きゃべつばたけのぴょこり』は、2003年に発表され、
 2017年に「幼児絵本ふしぎなたね」シリーズの一冊として絵本になった作品。
 「ぴょこり」というのは、きゃべつの葉の裏についている不思議な形のもの。
 アリだとかかめむしとかがたたくと、ぴょこりと動く、変なもの。
 さあて、これは何だろう。
 実は、そのヒントが絵本の最初にちゃんと描かれている。
 「きゃべつばたけにちょうちょがたくさんいる。」
 そう、ぴょこりはちょうちょのさなぎ。

 甲斐さんはさなぎからちょうちょが羽化するさまもちゃんと描いていて、
 羽化したてのちょうちょがそれでもなかなか飛び立たないことも描いている。
 おそらく実際その様子を観察しないと描けない世界だ。

 子どもたちは甲斐さんの絵本から、土の匂いとか虫たちのささやきとかを体験できるはず。
 私たちの世界はそんな生き生きとしたものたちと共にある。
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自信を持っておすすめしたい ひぐまのことをもっと知ろう   投稿日:2025/10/26
ひぐま
ひぐま 作: あべ 弘士
出版社: ブロンズ新社
最近クマによる被害をたくさん目にします。
 人が襲われ亡くなることもあったりして、猟銃による駆除も行われたりします。
 あべ弘士さんの『ひぐま』という絵本には、
 ひぐまをもっと知るための、「ひぐましつもん箱」という挟みこみリーフレットがついていて、
 その中にこんな一文があります。
 「母子グマや若いクマは町の近くにやってきて、ときどき事故になったりします。
 クマにとっても、人間にとってもむずかしい問題です。」
 クマの生態をよく知ることも、「むずかしい問題」を解決する糸口になるように思います。

 あべさんの絵本『ひぐま』は、北海道に生育するひぐまの、
 秋から冬にかけての母グマの様子を描いた作品です。
 母グマは秋になるといっぱい栄養を摂って冬眠にはいります。
 何故栄養をたくさん摂るかというと、冬眠中に出産し、穴倉の中で小さい子グマを育てるからです。
 静かな冬の、暗い穴倉で母グマと子グマの会話のなんと微笑ましいことか。
 春を待ちわびる気持ちが伝わってきます。
 そして、春。
 子グマたちが初めて目にする地上の世界の、なんていう美しさでしょう。

 やはりこういう絵本を読んでみると、
 人間とクマの関係が「むずかしい問題」であればこそ、
 なんとかそれを解決できることを願うしかありません。
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