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自信を持っておすすめしたい だいじなものを さがしにゆこう  投稿日:2021/05/04
森の絵本
森の絵本 作: 長田 弘
絵: 荒井 良二

出版社: 講談社
みどりは目に優しい色だといわれています。
 初夏の頃の若葉のあざやかな緑を表わす夏の季語に「新緑」があります。
 俳句の世界では、その他に中村草田男の「万緑の中や吾子の歯生え初むる」で広く愛用されるようになった「万緑」という季語もあります。
 「歳時記」にはこの季語に「木々の緑が深まり、生命力に溢れる様子」と解説がついています。
 みどりには、優しさだけでなく、いのちの生き生きとした姿を感じさせます。

 この絵本の表紙も、そうです。
 荒井良二さんのみどり色を基調にした森の絵が目をやさしくすると同時に、ページの中へと引き込んでいきます。
 中には、詩人長田弘さんの文が、これもまた不可思議な呼び声となって、私たちを惹きつけます。
 「きみの だいじなものを さがしにゆこう」
 「きみの たいせつなものを さがしにゆこう」
 みどりの深い森の中に、その答えはあるのでしょうか。

 色や光や匂いや笑い声、いろんなものを見つけます。
 そして、本。子どもの時にとても好きだった本。
 「その本のなかには きみの だいじなものが ある。ぜったいに なくしてはいけない きみの思い出がー」と、声が教えてくれます。
 本の詩をたくさん書いてきた長田さんだからこそ書ける詩の一文のように感じました。

 そして、ふたたび森のみどりの中に私たちはいます。
 大事なもの、大切なもの、それはずっと探し続けるものでもあります。
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自信を持っておすすめしたい 大人にも読んでもらいたい岩波少年文庫   投稿日:2021/05/01
岩波少年文庫のあゆみ 1950-2020
岩波少年文庫のあゆみ 1950-2020 編著: 若菜晃子
出版社: 岩波書店
岩波少年文庫が創刊されたのは、1950年12月25日。
 ということで、昨年2020年に創刊70年を迎えました。
 この本は、70周年を記念して、岩波少年文庫の別冊として刊行されたものです。

 創刊時出たのは『宝島』『あしながおじさん』『クリスマスキャロル』『小さな牛追い』『ふたりのロッテ』の5冊。
 以来、70年の時を経て465点の作品が刊行されています。
 平均すれば、1年あたり7冊に少し足りませんから、けっして多くはありません。
 というのも、1960年代には新刊をほとんど出していなかったそうです。
 この当時は児童書でも全集や作家の作品集などの出版が盛んで、岩波少年文庫のような小型で地味なシリーズは人気がなかったようです。
 この本では、そういった少年文庫のあゆみを年代を区切って解説していて、それは同時に児童文学の歴史のある側面も語っていることになり、資料として残しておくべきものになっています。

 その他、少年文庫の代表作を解説した章はブックガイドとしても役立ちますし、「翻訳の妙味」という章では創刊時に「翻訳は原作に忠実に、美しい平易な日本語に」を心がけた少年文庫ならではの読み方だと思います。
 まとめ的に綴られた最後の章「昔も今も」の中に心に沁みるいい文章がありました。
 「本はすばらしい、本が自分の人生にあってよかった、と思っている大人は、自分が体験したそのすばらしさを子どもに渡す役割がある。」
 この本は岩波少年文庫の一冊ですが、ぜひ大人の人にも読んでもらいたい作品でもあります。
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自信を持っておすすめしたい 最近空を見上げたこと、ありますか  投稿日:2021/04/29
空の絵本
空の絵本 作: 長田 弘
絵: 荒井 良二

出版社: 講談社
最近空を見上げたこと、ありますか。
 ひと頃「定年後」という言葉がとても気になって、実際自身がその「定年後」になってみると、空をよく見上げていることに気がつきました。
 仕事をしている時は、通勤時の満員電車の人の肩とか空を隠すようなビル群とか地下街やビルの中ばかりで、空はそこにあったはずなのに、見上げることは少なかった。
 そんな生活から解放されて、あ、今日は空がきれいとか雲が出てきたなとか雨近いなとか、空の下で息をしていることを実感します。

 詩人の長田弘さんが空のことについて書いた文は、「あっ 雨」から始まります。
 雨が次第に強くなってきて、空の色が、それは世界の色でもあります、青から灰色に変わっていきます。
 風も強くなり、雷鳴がとどろきます。
 と、そこで長田さんは「運命/みたいに たたきつけ」と、「運命」という固い言葉で綴ります。
 やがて、雨がやみ、空は明るさを取り戻していきます。
 だんだん日が暮れていき、夜になります。
 空は星でいっぱいになります。
 まるで私たちの人生そのもののような、空の姿です。

 荒井良二さんの絵がとてもよくて、絵本ですから音はないのですが、絵を見ていくとどんどん音楽が流れてくるようです。
 きっと音楽好きな人なら、あの曲が聴こえてくるようというでしょうが。
 ページを閉じたら、そっと空を見上げて下さい。
 どんな空ですか。
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自信を持っておすすめしたい いのちの豊穣を抱えながら  投稿日:2021/04/25
水の絵本
水の絵本 作: 荒井 良二 長田 弘
出版社: 講談社
茨木のり子さんに「水の星」という詩があります。(詩集『倚りかからず』収載)
 その詩の一節に「いのちの豊穣を抱えながら/どこかさびしげな 水の星」とありますが、まさにその「いのちの豊穣」に呼応するように、この絵本で文章、それはまさに詩といってもいいですが、を綴った長田弘はこう書いています。
 「ははのように いのちを つくり/ちのように からだを めぐり/たましいを ぬぐってくれる」と。
 それは、水のことです。
 茨木のり子さんが「水一滴もこぼさずに廻る」と驚いたこの星は、水にあふれた星なのです。

 この絵本でまず驚くのは、荒井良二さんの絵だと思います。
 表紙の一面の黄緑色。普通水を絵で描けと言われたら、水色を使うのに、荒井さんはそうではない。
 黄緑色であっても、ああこれは水なのだと誰もが実感できる。
 長田さんの文にこうあります。
 「どんな いろお してないのに/どんな いろにでも なれるもの」。
 そういえば、水は決して水色でもない。
 透明であるけれども、いろんな色を持っている。
 そこにも、豊穣を感じます。

 宇宙に浮かぶ地球がこの絵本にも描かれています。
 茨木のり子さんが見た「水の星」は、ちょうどこの荒井さんが描いた星のようであったにちがいない。
 長田さんが思った水も、またそうであったにちがいない。
 色んなことを考えてしまう、そんな絵本です。
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自信を持っておすすめしたい こんなアパートに住んでみたい             投稿日:2021/04/18
アパートのひとたち
アパートのひとたち 作: エイナット・ツァルファティ
訳: 青山 南

出版社: 光村教育図書
アルフレッド・ヒッチコック監督作品で1954年に作られた「裏窓」という面白いサスペンス映画がありました。
 事故で足を骨折して動けないカメラマンが退屈しのぎに裏窓から見えるアポートの人たちの生活をのぞき見していて、殺人事件らしきものを偶然見てしまうという話です。
 その映画に出てくるアパートの住人たちの生活ぶりが面白い。
 妻を殺す男もいれば、楽しく仲間たちと歌を歌っている男もいる。
 グラマラスな女性には男が近づき、暑くて眠れないと布団を外に出して寝ようとする夫婦もいたりする。
 表のドアを閉めてしまえば決してわからない住民たちの生活が垣間見れる面白さ。
 この絵本にも同じものがあります。

 女の子の住んでいるアパートは7階建て。
 各階に一軒ずつ住んでいるのですが、何故かドアがちょっとずつ違うのです。
 1階のドアにはかぎがいっぱい。
 なので、女の子はそこに住んでいるのは、きっとどろぼうの家族と想像します。
 ドアを開くと(もちろん女の子の想像です)黒い覆面をしたどろぼうの一家がくつろいでいます。
 女の子の想像は順番に上の階へと続いていきます。
 明かりの消えた真っ暗なドアの向こうには、きっと吸血鬼が住んでいるのだとか、酢漬けの魚のにおいがするドアの中には人魚と暮らす海賊が、しかも水中にいるのだとか、女の子の空想は広がります。
 それで、7階の自分の家はとっても普通。

 そんな空想が広がる楽しい絵本ですが、このアパートを裏窓からのぞけたらきっと面白いでしょうね。
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自信を持っておすすめしたい あの頃遊んだクレヨンどうしただろう  投稿日:2021/04/04
ぼくのくれよん
ぼくのくれよん 作・絵: 長 新太
出版社: 講談社
クレヨンというのは、「石鹸・蝋・脂肪などに各種の顔料をまぜて棒状に造る」と「広辞苑」に出ている。「学童などが用いる図画用の絵具」ともあるように、ほとんどの子どもが使ったのではないだろうか。
 色鉛筆と違って、削らなくてよくて、描いていく感触も柔らかいのがいい。
 漫画の「クレヨンしんちゃん」とか児童書専門店の「クレヨンハウス」とか、やはり子供と関係して馴染み深い。
 そのクレヨンを題材にして、「ナンセンスの神様」という異名のある絵本作家の長新太さんが描いた作品が、この絵本です。

 一本のくれよん(絵本の表記がひらがななので、以下ひらがなで)がまず出てきます。
 大きな丸太のように、とても大きいのです。
 どうしてかというと、ぞうさんのくれよんだからです。
 ぞうさんが青いくれよんで大きな丸を描くと、まるで池みたいにみえます。
 まちがってカエルが跳び込んだりします。
 赤いくれよんで描くと、火事みたいに見えます。
 動物たちがあわてて逃げ出します。
 黄色のくれよんで、大きなバナナを描きましたが、もちろん食べられません。
 ぞうさんの大きなくれよんは、人騒がせなくれよんです。

 ページを開くと、子供たちの歓声と笑い声が弾きでるような作品です。
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自信を持っておすすめしたい 大人のあなたに読んでもらいたい絵本             投稿日:2021/03/28
あの湖のあの家におきたこと
あの湖のあの家におきたこと 作: トーマス・ハーディング
絵: ブリッタ・テッケントラップ
訳: 落合 恵子

出版社: クレヨンハウス
これは湖のほとりにある、一軒の小さな木の家の物語です。
 それは長い時の物語でもあります。
 絵本ですが、まるで長編の物語を読むようでもありますし、長い一篇の映画を観るようでもあります。
 でも、これは絵本です。
 ゆっくりと頁をめくる、そんな絵本です。

 家はこの絵本の作者であるトーマス・ハーディングさんの曽祖父が1927年に建てたものです。曽祖父は医者で、4人の子どもたちが自然の中で暮らせるように、湖のほとりに建てたそうです。
 でも、時代がよくありません。
 戦争になって、ユダヤ人であった一家はこの家を去ることになります。
 次に住んだのは、音楽好きの一家。
 でも、彼らも戦争のせいでこの家を出ていきます。
 さらにまた別の一家、さらに戦争が終わって別の家族がこの家で暮らします。

 家はきっと住む人たちの、さまざまな様子や感情を見てきたでしょう。
 その姿はそれぞれだったでしょうが、きっと家を愛するということでは同じだったかもしれません。
 家はそこに住んだ家族のことを覚えているのでしょうか。
 そこで笑ったり泣いたり怒ったりした家族のことを覚えているでしょうか。

 訳者である落合恵子さんは、2020年の春浅い日々から晩春にかけてこの本とずっと一緒だったと綴っています。
 コロナ禍の時、落合さんは戦争で揺さぶられた家とともにあったのです。
 この絵本はそんなふうにして、時代の中で何かを考えさせる一冊です。
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自信を持っておすすめしたい 会えない時間が生んだ絵本  投稿日:2021/03/21
会いたくて会いたくて
会いたくて会いたくて 作: 室井 滋
絵: 長谷川 義史

出版社: 小学館
コロナ禍で介護ホームにいる肉親と会えなくなったという話をよく耳にします。
 ガラス越しに会っている光景も目にしたりしました。
 女優の室井滋さんが文を、絵本作家の長谷川義史さんが絵を描いたこの絵本は、こんな時代に生まれた絵本です。
 室井さんは大人の人やお年寄りの人が手を取りたくなるような絵本をつくろうと思ったそうです。
 なので、長谷川さんには「線画でちょっと大人っぽく、繊細な線で描いて欲しい」とお願いしたそうです。
 長谷川さんの絵を見てきた人には、あれ? いつもと違うって感じるでしょうが、とてもいい絵になっています。

 お話はボクの大好きなおばあちゃんがいるホームに行くのですが、会えない日が続くところから始まります。
 絵本の中では「コロナ」という言葉は出てきません。
 コロナでなくても会えない時はあります。
 この絵本は、会えない時にその人のことを思いやることを教えてくれます。
 とうとうボクはおばあちゃんと窓越しに会えます。会話は「糸電話」で。
 ボクが初めて目にする「糸電話」。
 長谷川さんは「そういうアナログなこと、空間、時間をとても大切にする生き方を教えてくれている」と話しています。

 室井さんはこのつらい時代に「絵本が明日への希望につながってほしい。会えない人ともつながっているっていうふうに」と、この絵本への思いを語っていました。
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自信を持っておすすめしたい おーい、雲よ。おーい、春よ。  投稿日:2021/03/20
はるの ごほうび
はるの ごほうび 作: 内田 麟太郎
絵: 村上 康成

出版社: 鈴木出版
「春はあけぼの。」
 有名な清少納言の『枕草紙』の書き出しです。古典で習いました。
 続く「やうやう白くなりゆく、」あたりまで覚えている人もいると思います。
 一方、こちらは漢詩。
 「春眠暁を覚えず」、孟浩然の作。漢文の授業で習いました。
 清少納言は早起きで、孟浩然は気持ちよくてなかなか起きられなかったようです。
 いずれにしても、春は気持ちのいいものです。

 ブタが空に浮かんでいても、ネコが浮かんでいても、カエルもタヌキも、クマだって浮かんでいても、ちっともおかしくない。
 だって、春ですもの。
 内田麟太郎さん作のこの絵本には、春の気分が満載です。
 なんといっても、村上康成さんの、ほんわかした絵がいい。
 ページを開くだけで、春がこぼれてきそう。
 早起きしようが、いつまでも起きられなくても、町に出てみると、誰でも空に浮かびそう。
 でも、どうしてみんな空に浮かぶことができたのでしょう。
 その答えを、こいのぼりが教えてくれました。
 はるかぜをおなかいっぱい吸い込むのだとか。

 「だれだって もらえる はるの ごほうびです。」

 外出もままならない、コロナ禍の時代。
 せめて絵本をひろげて、はるかぜをいっぱい吸い込んで、空に浮かんでみたいもの。
 誰でももらえるごほうびなのですから。
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自信を持っておすすめしたい どうしてこんなに泣けてくるのだろう               投稿日:2021/03/07
悲しみのゴリラ
悲しみのゴリラ 作: ジャッキー・アズーア・クレイマー
絵: シンディ・ダービー
訳: 落合 恵子

出版社: クレヨンハウス
愛する人を亡くした悲しみから、人はどのように立ち直っていくのだろう。
 この本は絵本ですが、そんな深い問いを描いた一冊です。
 だから、絵本だからといって子どもだけのものではなく、今も悲しみの中にいる大人の人にも読んでもらいたい作品です。

 絵本はお葬式の場面から始まります。
 亡くなったのは、まだ若いママ。パパと男の子が残されます。
 ママが丹精込めた庭で、一人ぼっちでいる男の子に、一頭の大きなゴリラが近づいてきます。
 男の子はゴリラに「ぼくのママ、しんだんだよ」と話しかけます。ゴリラは「そうだね、しってるよ」と返します。
 こうして、男の子とゴリラの対話が始まります。
 ゴリラは男の子の心のなかにいるのでしょう。
 なので、ゴリラとの対話は男の子自身との向き合いです。
 男の子はこうしてママを亡くした悲しみと戦っていたのでしょう。
 ある時、男の子は部屋で泣いているパパを見つけます。
 「ママにあいたい。」という男の子と抱き合うパパ。
 そんな二人をゴリラは大きな体で包み込んであげるのです。
 この時を境にして、男の子とパパはママの喪失の悲しみを共有しあうようになります。

 男の子にとっての「悲しみのゴリラ」はやがていなくなります。
 ママを亡くした悲しみは決して去らないでしょうが、パパと悲しみを共有することで男の子は前を向くことができました。
 夕焼けの中を去っていくゴリラはもう「悲しみのゴリラ」ではないのかもしれません。
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