環境問題に対しての問題提起。
この絵本が20年前に書かれたことに驚きを感じます。
繁栄を目指して、大人たちは石油や石炭をエネルギーに変え、鉄をつかって工業化を進め、原子炉まで作って地球環境を破壊していきます。
空は汚れ、地面はコンクリートで被われ、地球が苦しくてたまりません。
大人たちに助けを求めても相手にされない地球は子どもたちに救いを求めます。
どうか、子どもたちにとって安心できる地球を取り戻して欲しい。
子どもたちの言葉に大人は耳を貸しません。
大人たちが地球に投げつける「子どもたちは、子どもたちでなんとかするさ」と言う言葉。
あまり書くと、大人が悪者になってしまいますが、大人たちが良かれと思ってやってきたことが環境破壊なんて、その歴史の中にいる自分にとって、善悪がひっくりかえっていくようで複雑な思い。
地球は、子どもたちを自分の中に導きいれて、荒廃していく社会から包み込みます。
大人たちは、探し回り、悲しみ、活動を止めてしまう。
そうすると、自然が戻ってきて、自分たちの過ちに気づくのです。
最後に、風力発電や、ソーラー発電が出てきます。
絵本の中で、大人たちは地球環境に理解を示します。
それが救い。
何よりも20年前に、現在を予測したかのような絵本。予測して書かれた絵本だからか絵は辛辣です。
ストーリーも少し固いかも知れません。
しかし、なにより現在に通じるし、これほど環境を考えさせてくれる本はないとおもうのです。
入手が難しいらしいのが残念です。 (ヒラP21さん 50代・パパ 男の子12歳)
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