ぼくのひみつ、それはパパがサンタクロースってこと。
家にはトナカイがいっぱいいるし、部屋の中は子どもたちが好きなものでいっぱい。
パパと過ごすのはとっても楽しい。
けれど、毎年クリスマスイブの夜にパパと過ごすことはできない。
プレゼントを配りにいってしまうから。
毎年ぼくはひとりぼっち。
そんなサンタの小さな息子は、一番星にある願いをかけた。
それは……?
クリスマスイブの朝の大きな決心。
トナカイたちのひくソリに乗って、空へ駆け出したのはぶかぶかのふくを着た小さな小さな、サンタ!
北極圏の村の厳しくも美しい冬の背景を舞台に、クリスマスイブの夜をめぐる、小さな男の子の繊細な心の迷いと成長を描いたこの物語は『LITTLE SANTA』として、アメリカ・カナダ・フランス・ドイツ・ウクライナ・韓国で出版されたもの。本書『リトルサンタ』は、アメリカで出版された英語版の日本語による逆輸入版なのだそう。異国の雰囲気に憧れつつ、どこか懐かしさも感じるのは、男の子の儚げだけれど切実で強い思いというのが世界共通のものだから。
大好きなパパの大きな背中を見上げる「小さなサンタ」。
その様子を眺めているだけで、愛おしく、心の中があたたかくなってくるのです。
心に残るクリスマス絵本、それぞれの年齢で味わってもらいたい1冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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