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		タイでは国民のほとんどが仏教徒。生活のすみずみまでその教えがいきわたっています。心やさしいタイの人びとを紹介します。
 
		2007年発行。当時のタイを訪れて取材し、農業や町の様子、子どもたちの学習の様子、庶民の日常生活や歴史などをまとめて紹介する写真絵本。 
 タイは上座部仏教の国で、日常生活に仏教の教えやお坊さんが馴染んでいるのが印象的だ。托鉢や信者の奉仕の他、学校や家庭教育の中にも手を合わせたり、微笑んだりする慈悲や慈愛の心が浸透している。出会った人に敬意を表す微笑み、敬意を込めた控えめな態度など、大変礼儀正しい様子が写真に収められている。
 バンコクではマクドナルドの人形まで合掌している。ドナルドもタイで仏教に目覚めたらしい。気になるメニューはどんなのだろうか。
 
 田舎の学校と都会の学校の格差について記事が書かれていたが、設備や物・教員の不足、貧困などの問題は確かにあるが、私は個人的には田舎の貧しい人たちの方がずっと幸せそうに見えた。「先進的」とされている学校では、この国の伝統的な良さがどんどん無視されて、西洋的な価値観に染められている気がする。
 都会では高床式の家など、昔からある暑い国で快適に過ごせる住居がどんどん破壊され、クーラー付きの集合住宅がどんどんたてられているという。クーラーがなくても十分生活できる家と、電力を大量に必要とする上、体にあまり良い影響がない家とどっちがいいだろうか?
 時々はクーラーにもあたりたいけど、個人的にクーラーで体を壊した体験がある私は、都市化についてあれこれ考えてしまった。
 
 タイは行事の時やお寺、市場の商品などが派手で素敵だ。
 人々は微笑んでいて楽しそうで、天国みたいに見える写真もあった。何年か暮らしている日本人の子どもたちの作文が面白い。いつのまにか体も心もタイ仕様になっていく様子を自覚していくところが興味深い。
 (渡”邉恵’里’さん 40代・その他の方 )
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