キム・ヨンジンさんと言えば、「べんきょうなんて やるもんか!」の絵が鮮明に記憶に残っています。
韓国の絵本なのに、洒落たニューヨーク辺りのイラストレーターの作品と言われても気づかない程。
そのキム・ヨンジンさんが、文と絵とも手掛けた2006年の作品です。
主人公のホッペくんは、コブタ。
学校で音楽の先生に歌が上手いと言われ、嬉しくなって、パパとママに報告するのですが、二人とも聞いてくれません。
これって、両親がやってはいけない行為のワースト1ですよね。
ホッペくんはしょんぼりするのですが、次の土曜日、おばあちゃんの家に行くのでウキウキです。
おばあちゃんの家には、歌を教えてくれたおじさんがいるからなのですが、そのおじさんも旅行中。
おばあちゃんの家での食事がすすみません。
ご飯の途中で抜け出して、おじさんの部屋に行くのですが、そこには驚きの展開が待っていたのです。
何と言っても、キム・ヨンジンさんの絵が最高です。
隠し絵がふんだんにあって、何かを象徴するような物を盛り込む辺りは、どこか大好きなアンソニー・ブラウンに通じるところがります。
気になったのは、青いリンゴ。
色んなページに挿入されています。
また、部屋のところどころに、鉄人28号のモデルがあるのは、何とも嬉しいものでした。
秀逸なのは、食事の絵。
ブタさんの食事なので、お世辞にも上品な食べ方とは言えないものですが、エビとかタコの目から涙が零れ落ちているのには、大笑いです。
絵の楽しさに加えて、ストーリー展開の面白さもあって、実に楽しめる絵本に仕上がっています。
絵は何度見ても、新しい隠し絵の発見があるものなので、超オススメです。