アフリカにある「モーリタニア」という国に住んでいる女の子のお話。タイトルにある「メラハファ」とは、イスラム教の女の人が服と頭の上からまとう薄い一枚布のベール。モーリタニアでは、女の子は9歳から15歳までにまとうそうです。
女の子はメラハファに憧れます。だって、お母さんもお姉ちゃんも従姉妹もおばあちゃんも、みんな色とりどりのステキなメラハファを着ているのだもの・・・。きれいにみえる、秘密めいて見える、大人っぽくみえる、おきさきさまみたいに見える。
でも、メラハファはそんなことのためにあるのかな?
女の子が、「お祈りしたいから、メラハファがほしい」と言ったとき、お母さんは「良いですよ」と言って、メラハファで体を包んでくれました。とてもきれいな青のメラハファ。モーリタニアの女の人たちはメラハファをまとうことによって、ゆったりと自分の信仰や文化に向かい合っている。作者はそのことを知ってほしくてこの絵本を作ったそうです。
「異文化を扱った絵本を読むことは、他の国に住む人を理解し、平和を築くことに繋がる。」と、最近絵本の講座で聞きました。こういう絵本をたくさん読むと視野が広がります。絵本を通して、広い世界の豊かな多様性に子どもの時から触れることができますね。
とても色がきれいな絵本です。絵もすてきです。鮮やかさと落ち着きが一緒になった感じ。描いているだけではなく、貼り絵の手法も用いられているように思います