宮澤賢治の作品はちょっと難解なものが多いのですが
「雪渡り」は楽しくわかりやすいほうでしょうか。
四郎とかん子の兄妹が子狐紺三郎から幻燈会へ招待されます。
いくつかの出版社からでているのですが、モノトーンで描かれている
この作品がとても印象深く残りました。
「雪がすっかり凍って大理石よりも堅くなり」という冒頭から始まり、
一瞬にして冷たい空気の中にいるような感じになります。
キックキックトントンという言葉の響きや子狐とのやりとりが面白く、
少し難しいかなと思える言い回しも気になりませんでした。
動物と人間の交流が冷たい冬の夜に温かさをもたらします。
私は自分のイメージにぴったりでしたが、息子は
ほかのカラー作品のほうが面白かったと言っていました。
いろいろと読み比べるのも楽しいと思います。