「あかずきん」よりこわーい物語です。
あかずきんに出てくる
「おばあちゃんのお目目はどうしてそんなに大きいの?」
「おまえをよーく見るためにさ」
という一連のやりとりを覚えていますか? これ、結構こわい。
でも、この絵本はもっとこわいのです。
だって、おばあちゃんに化けた年取ったオオカミが、三人姉妹のふとんにいっしょに寝るのだもの!
鋭いツメやごわごわ毛深い足をごまかすオオカミ。
上の姉が気づいて智恵をめぐらせ妹たちと共に逃げ、そして三人が力を合わせてオオカミを退治してしまう、という物語です。
エド・ヤングの東洋的な絵は、あちらの世界のおぼろな闇を浮かび上がらせ、大人の鑑賞にも十分に耐える美しさ。
勇敢な女の子が主人公の絵本は他に、「怪物ヌングワマをたいじしたむすめの話」「ティリーのクリスマス」「ゆうかんなアイリーン」「ダイアナとサイ」など。秀作です。ぜひ女の子に読んであげてください。男の子にも、「こういう女の子をパートナーに選びなさい」というメッセージを忍ばせて読むのもいいかもしれません。