米国では学校でも図書館でもよく見かける絵本です。実は家に英語版(Many Moons)があったのですが、ずっと手付かずでいた作品。邦訳があることを知り、日本語で息子に読みました。
息子の日本語力から考えるとちょっと難しかったかもしれません。かなりいろんな知識の必要な、込んだ表現が多かった感じがします。レノア姫という10歳になる病気のお姫さまが「月がほしい」と言ったことから物語は始まります。けらいたちは知恵を絞りますが……。結局、人それぞれによって「月」は違って見え、違った存在だというお話なのですが、考えてみると内容はとても哲学的。読み継がれている理由もよくわかります。小学校中学年ぐらいのお子さんから読まれるとよいでしょう。透き通った感じの上品なイラストが、月のイメージを美しく演出しています。1944年のカルデコット賞受賞作品。