表紙、最初の2ページと、秋色の森がとても美しく、娘も目を奪われていました。それに、秋の森には、楽しいことがいっぱい!の予感。早速、くまの住む木はどれだろう?と探し始めた娘は、次のページの絵(太い木の根元部分しか見えていないのですが、はらはらと散る落ち葉)を見て、
「これは、もみの木じゃないよ。だって、ちくちくじゃなくて、黄色い葉っぱが落ちてるもん。」と、細かいところまで注意を払いながら、絵に見入っていました。
どのページも、豊かな秋の実りと、くまの親子の楽しい会話に彩られていて、ページごとに止まっては、たくさん話をしたくなります。娘のかわいらしい感想もいっぱい聞けて、そのすべてを書き留めておきたくなってしまうほど!
食べられない木の実もあることを知って驚いたり、おかあさんぐまが、木の室に鼻と手を突っ込んで(!)はちみつを取っている姿には、もっとびっくり! 最近、生まれて初めて蜂に刺され、とても痛い目にあったばかりだったので、「えええええ〜!」と絶叫していました。それから、「ママも、へっちゃらなの〜?」と聞くので、「ママは、えんえん大泣きしちゃうよ!」と答えると、げらげら笑っていました。この熊のお母さん、本当にたくましいです! 川にざぶざぶ入って、大きな魚も獲るし、綿を摘んだり、木の実も集めたり・・・。
でも、1日中、冬篭りの準備をして、遅くなっても、疲れていても、子どもとの約束も決して忘れてはいません。私にはとても真似できそうにないな・・・。強くて、優しいお母さん。
とれたての新鮮な魚と、きのこや木の実の色とりどりの夕ご飯も、本当においしそう! 娘は、暖炉の前で魚が焦げないように番をしているこぐまが、「おかあさん、やけたかどうかちょっとだけかじってみていい?」と聞く場面が特に好きなようで、「まだ焼けてないよね〜?赤ちゃんだから、わかんないんだよね、きっと」なんて、おねえさんぶっています。
そして、夕ご飯のシーンで突然、「あっ!お月様が光ってる!」と大声を上げた娘。一瞬何のことかわからないでいると、「ほら、よるくまみたい!」と、お母さん熊の「胸のお月様」を指差して教えてくれたのでした。それから急いでページを戻って、前向きのこぐまの絵を探してみると、こぐまにも、ちゃんとお月様が! それに、お母さんの作ってくれたぬいぐるみのくまにも!
雪がしんしんと降る夜の絵も、とても素敵ですね。並んで雪を見ているくまの親子。「大きいお月様と、小さいお月様も並んで光ってる!」と、娘も感動していました。けれど、温暖な土地で生まれ育った娘は、裏表紙の絵を見て・・・「あっ、ドアも見えなくなっちゃうよ。“砂かき”して、砂を払わなきゃね!」