おなじみの日本の昔話です。再話は『おみまい』などで知られる矢川澄子さん。
松居直さんの著書『絵本を読む』で紹介されているのを見て、手にとりました。赤羽末吉さんが初めて手がけた“女もの”だそうです。
松居さんによると、昔話を絵本にするのは難しいといいます。単に話に絵をつければいいという問題ではないからです。この問題を見事にクリアしているのが『つるにょうぼう』であると松居さんは断言しています。この本を読み終えて初めて『つるにょうぼう』の実物を手にした時、その美しさに心が震えました。素人目にも、他の絵本とは一線を画しているのが明白でした。松居さんが太鼓判を押すのもうなずけました。
小学校1〜3年生のクラスでそれぞれ読み聞かせしたところ、子どもたちだけでなく先生まで引き込まれていた様子で、あらためてこの絵本のすごさを実感しました。聞き手の一人であったわが息子も、その夜、「泣きそうだった」と感想を述べていました。
前述した『絵本を読む』と併せて読むと、この絵本をさらに深く楽しめると思います。