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作: 福井 智 絵: 林 なつこ  出版社: 童心社 童心社の特集ページがあります!
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鏡のしかけが生み出す、驚きの三次元空間!「かがみのえほん」シリーズ わたなべちなつさんインタビュー

「こんな絵本、見たことない!」誰もがおどろき、わくわくする“かがみのえほん”『ふしぎなにじ』と『きょうのおやつは』が誕生しました。作者は、わたなべちなつさん。この2冊がはじめての絵本です。
現在、愛知県立芸術大学大学院に在籍、「しかけの視覚伝達デザイン」をテーマに、これから修了制作に入るとおっしゃるわたなべちなつさんにお話をうかがいました。(*取材は2014年11月11日に行われました)

ふしぎなにじ
作:わたなべ ちなつ
出版社:福音館書店

鏡のように反射する紙でできた絵本。両側のページが互いに映りこむと、絵が三次元的に見えます。鏡の効果で立体的に立ち上がるにじの美しさをお楽しみください。

きょうのおやつは
作:わたなべ ちなつ
出版社:福音館書店

鏡のように反射する紙でできた絵本。両側のページが互いに映りこむと、絵が三次元的に見えます。卵をわって、牛乳を注いで……。臨場感あふれるおやつづくりを楽しんで下さい。

みんなびっくり! 不思議なえほん

───『ふしぎなにじ』と『きょうのおやつは』を見て、まずびっくり。
「ねえ、この絵本見て、見て!」と思わず周囲に見せると、今度はその人が「うわー、すごい! ちょっと、これ見て!」とまた他の人を呼んできます(笑)。

ありがとうございます(笑)。

───いったいどんな方が “かがみのえほん”を考えたのだろうと、お話をうかがうのを楽しみにしていました。今日はよろしくお願いします!
さて、もう発売されて一か月で大評判ですね。


“かがみのえほん”は、編集者さんはもちろん、色々な無理難題にこたえてくださった日本写真印刷さん、版元の制作部門の方々など、たくさんの方のご協力で、奇跡的に実現したので、とてもうれしいです。
紙や印刷方法が特殊なので、ふつうより印刷・製本に時間がかかるのだそうです。重版時には、本屋さんをお待たせしてしまっているかもしれません。

───本を見た子どもたちの感想は、届きはじめていますか。

『ふしぎなにじ』は小さなお子さんにも好評みたいで、2歳になったばかりくらいの子が、かがみの「にじ」の奥を探るように手をのばし、何度ものぞきこんでいます、と親御さんから感想をいただきました。

───『ふしぎなにじ』は説明がいらない絵本ですものね。ひらいてみたら、かがみのなかに美しい色がうつりこんで、どんどん形がかわり、にじがふえていく。これは小さい子から大人まで魅了されます。見本が届いた日、2冊を家に持ち帰ったら、うちの小5の息子も「すげー!」「こんなのはじめて」と絵に描いたような反応で(笑)。
『きょうのおやつは』はじぶんでホットケーキを作っている気分になれるのがすごいですよね。かがみの効果でふたりぶんのお茶のテーブルが整うのが不思議。おいしそう!

ぺたんと開くと平面の絵なのに、ちょうど90度の角度で開くと、かがみに絵がうつって、立体的に見えるんです。
『きょうのおやつは』をテーブルにおいて直角に開いてもらうと、ほら、卵をわってボウルに入れているみたいに見えます。


『きょうのおやつは』 卵の白身も、本物みたいな透明感!


ちょうどいい角度にすると、下の画面が、かがみのなかに反転してうつりこみます。

ここでちょっと動画をお見せします!!>>>



───なぜこんな不思議な“かがみのえほん”を思いついたのか、とっても気になります。
わたなべちなつさんは一度就職され、その後大学院にもどられたとうかがいましたが・・・。

はい。大学を出たあと、グラフィックデザイナーとして静岡の家庭用品メーカーに4年ほど勤めました。
当時はその仕事をずっとつづけたいと思っていたんですが、結婚して愛知にもどることになり、静岡を離れるので一度仕事をやめなければいけない、この先どうしよう、と悩みました。
学部生のときから、目で見て、しかけがあっておもしろいものに興味があり、仕事をしながらも一方で作品をコンペに出したり展示をしたりして、個人的な制作をつづけていたんですね。
それがもうちょっとモノにならないかなあとの思いで制作をしていたところに、(隣の編集者、山中さんを見て)ありがたいご縁があったと。

(編集者):私が以前、別の絵本でご一緒した方が、おもしろいものを作ってる人がいるよ〜とご紹介くださって、わたなべちなつさんにお会いすることになったのが最初です。

そのとき編集者さんにお見せしたのが、こちらの黒い絵本の5冊です。


大学の学部時代に制作された黒い本のシリーズ。     手作りの鏡付きブックスタンドに立てるとこんな感じ。


もともと大学ではグラフィックデザインを学ぶ学生で、学部生のとき所属していた研究室の先生が、絵本や漫画の研究を専門にする方だったんです。
私は当時すでにかがみをつかったしかけに興味があって、うつりこみのいい素材を片っ端から試し、好きな制作につきすすんでいました。
私がやっていることを知ってくださっていた先生から、「今まで制作したことのないものをいきなりつくるのではなく、君がこれまでも取り組んできたような本の形にしてみたら」と声をかけてもらったんですね。そのときにはじめて、本の形にしてみました。


───わ〜〜! 『きょうのおやつは』に少し似ていますね。素材になっているのは絵でなく、写真ですか?


はい。自分で料理したり、用意したものを写真に撮って、生々しくない程度に加工してあるものです。

───こちらは、『ふしぎなにじ』の原型みたい。よりシンプルで、まさにアート作品ですね。あっ、チェックになる!





ひもが仕込んであるものもあって・・・開いてみると、ひもでできた立体があらわれ、開く角度を変えると立体の形が変わりますよ。これ、じつは、最初から最後まで、同一のつながったひもなんです。途中、穴の数を変えることで、一本に見えていたひもがもともとあった何本かに分裂して、一冊の本の中でイメージが大きく変化するように見せています。

───不思議・・・。こういったしかけは、どんな発想から生まれるのでしょうか。

大学の授業で学ぶ、構成の基礎的な考え方には影響されていると思います。
あとはとにかく自分が好きで、あれこれ試していった結果、生まれたものだと思います。

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わたなべ ちなつ

  • 筑波大学芸術専門学群卒業。グラフィックデザイナーとして家庭用品メーカーに勤務の後、現在は愛知県立芸術大学大学院に在籍している。「しかけの視覚伝達デザイン」をテーマに、作品を製作している。

作品紹介

ふしぎなにじ
作:わたなべ ちなつ
出版社:福音館書店
きょうのおやつは
作:わたなべ ちなつ
出版社:福音館書店
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