くだもの らららん
- 作:
- 金内 織恵
- 出版社:
- 童心社
絵本紹介
2025.07.03
つやつや、ころころ、ごろりん。青々と茂る葉っぱから見え隠れしているのは瑞々しいくだものです。毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介するのは、『くだもの らららん』。植物画家が描く、思わずさわりたくなる赤ちゃん絵本。どんな内容なのでしょう?
NEXTプラチナブックとは…?
絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。
そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。
作者は植物画家としても活躍される金内織恵さん。
全てに焦点を合わせ、そこにあるくだものをありのままに、美しさや瑞々しさをまるごと表現することで、画面に入り込めるような独特な空気感をつくりだしています。
この繊細でリアルな絵に、オノマトペや心地よいリズムと繰り返しの言葉が組み合わさって、赤ちゃん絵本として完成してしまったのだから驚きです。
「くだもの らららん さあ たべよ」
じっくり見て、手にとり、皮をむき、食べる。一連の動作の喜びをしっかりと味わってもらえたら嬉しいですよね。他にはない赤ちゃん絵本の誕生です。
赤ちゃんにだって本物を見せてあげたい!
赤ちゃんの目から見ると、木にぶらさがっていたり、葉っぱに見え隠れするくだものは、ぼんやりとしか把握できないのかもしれません。けれど、それも本当のくだものの姿ですよね。そこから目の前にごろんとあらわれた姿も、色鮮やかな果実を見せている姿も、もちろん本当のくだものです。見ればその味が想像できるようになり、それが自分の大好物の食べ物だと発見し、うっとりと眺めながら手をそえるようになるまで、この絵本をじっくりゆっくり味わい続けてみてくださいね。
この書籍を作った人
1976年、新潟県新潟市生まれ。三人の息子の母。グラフィックデザイナーとして、絵本の装丁などを手がける。生き物が大好きな三男に「すごい!」と言われたいという思いから植物画や生物画を描き始め、2017年に国立科学博物館・筑波実験植物園第34回植物画コンクールにて文部科学大臣賞を受賞。描く植物は、実際に育てたり、取材をしたりして、ありのままの美しさ、おもしろさ、すごさを表現できるよう心がけている。
磯崎 園子(いそざき そのこ)
絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長。著書に『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』(ほるぷ出版)、『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)、監修に『父母&保育園の先生おすすめの赤ちゃん絵本200冊』『父母&保育園の先生おすすめのシリーズ絵本200冊』(玄光社)がある。