新刊
世界の国からいただきます!

世界の国からいただきます!(徳間書店)

世界26か国の食べものを紹介した、楽しい大判絵本!

連載

絵本ナビスタッフ便り 6月

絵本ナビ編集部

2015/06/21

【新刊絵本ピックアップ】 子どもの世界をのぞいてみよう!

【新刊絵本ピックアップ】 子どもの世界をのぞいてみよう!

注目の新刊から、とっても素敵な子どもたちの世界がのぞける絵本を4冊ピックアップしました! 何かと向き合うその姿に、大人の方が刺激をもらっているようです。

◆ 女だって、さらりと夢を叶えられるわけじゃない!?

いちろうは体育が大嫌い。いつも体育の時間が近づくと、なんとか休めないか、雨がふって中止にならないか、念じています。だけど、さすがにお天気を自由に変えるなんて無理。

・・・ところが、ある夜。いちろうの夢に、マントを着た不思議な女の子が出てきてこう言うのです。
「わたし、まじょの女の子なの。なにか、わたしに してもらいたいことは ない?」
いちろうは、すぐに答えます。
「あした、雨がふると いいんだけどなあ」
すると、その子はいちろうに、赤いかさを渡します。それが「まほうのかさ」だと言うのです。
広げると雨がふりはじめて、とじるとすぐに雨がやむ、魔法のかさ。
本当にそんなことできるの?
そもそも、これは夢じゃないの?
だけど朝、玄関には本当にその赤いかさがささっていて・・・。

物語の展開は、魔法のように軽やかに・・・とはいかず、事態は2転3転していきます。
魔女だって、さらりと夢を叶えられるわけじゃないようです。
健気に運動場を駆け回る彼女は、なんだか必死で、凛々しくて、でもとってもチャーミングで。
やりとげた姿を見ていると、悩んでいたことがなんだかちっぽけな気がしてきて。
日常の中の、ちょっと不思議な出来事。
はたさんの描く、躍動感あふれる印象的な場面の数々とともにお楽しみください!

◆ 「いもうとって、ずるい!」 「おねえちゃんて、ずるい!」

姉妹に生まれたら
誰だって一度はこう思ったことがあるはず。

「いもうとって、ずるい!」
「おねえちゃんて、ずるい!」

小さい頃、ずっと一人で独占していたものが
ある日を境に、突然自分のものじゃなくなる。
ましてや自分は特別扱いされなくなって、
その上、自分以外の誰かの面倒をみなくちゃならないなんて。

「おねえちゃんなんだから、がまんしなさい。」

そんなのずるい。
でも、やっぱり妹がかわいくて
いたずらしたり、気を引こうとしたり。
ちょっかいをだしてしまう、
お姉ちゃんと妹って不思議です。

この絵本は、そんなお姉ちゃんやお姉ちゃん予備軍に贈る
その名も「いもうとガイドブック」。
妹がやってくる前に、もしくは妹がいるお姉ちゃんにおすすめしちゃいます。
私、お姉ちゃんでよかった〜と考えた方を
ポンッとかえてくれるヒントが見つかるかもしれません。
もしくは、やっぱり!私だけじゃないんだわと
ホッと安心させてくれるかも?

◆ しんとしている夜道には、ちょっとした物語がひそんでいるみたいで・・・

しんとしている夜道は
人の話し声や美味しそうないい匂い
そして、ちょっとした物語がひそんでいるみたいです。

お母さんに抱っこされた夜の帰り道、
ウサギのぼうやは眠くなってきました。
お父さんもお迎えに来てくれて、
お家についたらぼうやはぐっすりと眠りにつきます。
なにをおもっているのでしょう。
それぞれが思い思いに過ごす夜の時間は、
静かにゆっくりと流れていきます。

『もりのおくのおちゃかいへ』が印象的なみやこしあきこさんの夜の絵本。
大切な小石を一つずつ確かめるように置かれた言葉を
夜の空気がしっとりと包み込みます。
みやこしさんの描く優しい夜は、ちょっぴりドラマチック。
夜の静かなひと時、おやすみさないを言うまでの魔法の時間。
この絵本を開いてみましょう。
心の中にそっと夜が広がります。でも仄かにあたたかい。

・・・おやすみなさい。

◆ 「わたしに さんせいするこは てをあげて!」 サリーが立ち上がり・・・

つめたい ことばは、
こころを きゅんと ちいさくするよ。
まるで ブルドーザーに 
ふみつぶされた はなみたい。

誰かの悲しい顔は見たくないよ。
誰かの悪口をいったり、いじわるな目で見たり。
なのに、だれもかれもしらんぷり。
本当にそれでいいのかな?

クラスで一番ちっちゃくて、存在感のない女の子、サリー・マクビー。
いじめたり、いじめられたりしないけどずっとずっとクラスのみんなを見ていた女の子です。
クラスの中心から離れたところにいた彼女は、誰よりも冷静に現実を見つめて、みんながハッピーになるためにはどうしたらいいのだろうと考えていました。

ある日、クラスの問題を解決するためにちっちゃなサリーが立ち上がります!
勇気をふりしぼって。みんなが集まる給食の時間に。
こわかっただろうと思います。不安だったろうと思います。
でも、サリーだけじゃなかったんです。
みんな同じ気持ちだったのです。

「わたしに さんせいするこは てをあげて!」
一人でも感じていることを正直に言える勇気。
そして同じことを感じていたらそれに素直に賛同できる勇気。
いろいろな勇気を教えてくれる絵本です。


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