姉妹に生まれたら
誰だって一度はこう思ったことがあるはず。
「いもうとって、ずるい!」
「おねえちゃんて、ずるい!」
一度どころじゃないかもしれない。
もうそれは年がら年中思ってるかもしれません。
小さい頃、ずっと一人で独占していたものが
ある日を境に、突然自分のものじゃなくなる。
ましてや自分は特別扱いされなくなって、
その上、自分以外の誰かの面倒を
みなくちゃならないなんて。
「おねえちゃんなんだから、がまんしなさい。」
そんなのずるい。
でも、くやしい気持ち以上に
やっぱり妹がかわいくて
いたずらしたり、気を引こうとしたり。
ちょっかいをだしてしまう、
お姉ちゃんと妹って不思議です。
この絵本は、そんなお姉ちゃんや
お姉ちゃん予備軍に贈る
その名も「いもうとガイドブック」。
妹がやってくる前に
もしくは妹がいるお姉ちゃんに
おすすめしちゃいます。
私、お姉ちゃんでよかった〜と考えた方を
ポンッとかえてくれるヒントが
見つかるかもしれません。
もしくは、やっぱり!私だけじゃないんだわと
ホッと安心させてくれるかも?
絵本の作者は、イギリス人絵本作家ポーラ・メトカーフさん。メトカーフさんにはお姉さんと妹さんがいるそうです。どちらの気持ちもわかるからなのか、そのユニークで、ウィットに富んだ妹対策にはどれもニヤリとしてしまいます。この極意を妹が読んでしまったら、先回りしてお姉ちゃん対策に使われてしまうかもしれませんね。文章に寄り添うように軽やかな線で描き出されるキュートな姉妹。女の子ならキュンときてしまう色使いで絵本に彩りを添えたのは、同じく姉妹のいるイラストレーターのスザンヌ・バートンさんです。
最後は、やぱっり姉妹でよかったなぁと実感させてくれるお洒落でユーモアたっぷりのかわいい絵本です。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
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