なぜ浄土真宗の教え、親鸞聖人の教えが似て非なるものになっていくのか。
親鸞聖人亡き後、教団内部に聖人の教えとは異なるさまざまな説(異義)が行われていることを嘆いた『歎異抄』。全十八章のうち、第一章〜第十章は「師訓篇」と呼ばれる親鸞聖人の語録であり、第十一章〜第十八章は「歎異篇(異義篇)」と呼ばれ、著者唯円の歎異と異義批判が展開される。
本書では後半の「歎異篇」に焦点を当て、『歎異抄』の言葉やさまざまな先人達の言葉から、現代に生きる我々に、人間とは何か、信仰とは何か、教団はどのようにあるべきかを鋭く問いかける。
『歎異抄に聴く―本願の生活者』(東本願寺出版部、2013年)につづき、親鸞聖人の教えを現代のこととして聞く著者渾身の『歎異抄』講義。
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