こう読めば、誰もが味わえる!
世界的ベストセラー作家であり、作品が50カ国語以上に翻訳されて多くの文学賞も受賞している村上春樹は、国内では「今さら読み始められない」「読んではみたが消化不良」「設定が非現実的で苦手」と敬遠されることもあった。本書は村上研究で博士号を持つ著者が読みやすい文章で村上作品の魅力と本質をゼロから解き明かす入門書。「自由の困難さ」というテーマを軸に、『ノルウェイの森』や『1Q84』などのベストセラーから「ドライブ・マイ・カー」などの短編やエッセイ、インタビューに至るまで幅広く紹介しながら、村上作品が現代人にとっていかに価値のあるヒントを与えるかを示す。未読者にも再読者にも楽しめる新鮮な入門書!
はじめに――苦しみ悩む人々に寄り添い、人生と向き合えるよう背中を押す文学
第一章 村上春樹の読まれ方 ――批評的読解と世界的共感
第二章 村上春樹の考える「自由」とは何か ――地下鉄サリン事件と「単純な物語」
第三章 「橋を焼いた」作家 ――三つの習慣と「意識の整え方」
第四章 『ノルウェイの森』と『1Q84』 ――ベストセラーの謎≠解く
第五章 諸刃の剣としての「想像力」 ――「かえるくん」・「ドライブ・マイ・カー」・『海辺のカフカ』
第六章 資本主義社会をどう生きるか ――「交換」から「象」へ
おわりに――自ら作った壁に向き合う
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