馬場のぼるさんといえばロングセラー「11ぴきのねこ」シリーズ。あのチャーミングなネコたちのしょんぼりした姿やダイナミックな動きがどうやって生まれるのか、不思議に思ったことはありませんか。
本書は1968年に刊行された新書『誰でも描ける 3分マンガ』を元に、絵本に再構成したもの。子どもたちが楽しめるように、子どもになじみ深い十二支の動物たちなどを集めて掲載。それぞれイラストの描き方のコツがまとめられています。
馬場さんは言います。「絵を描くときにいちばん大切なのは、自分らしい絵を描くこと」「紙とエンピツさえあれば」「そっくりそのまままねる必要はない、コツさえつかんでいただければ」と。
馬場さんの手引きに従い、うすく基本の輪郭を描いてから、耳や顔の輪郭、目・鼻・口とヒゲ、体の上半分……と進めます。見覚えのある“ネコ”が、そしてイヌやブタが……描けそうな気がしてきます。クマのものぐさい感じ、キツネがずるそうに見えたり見えなかったりするヒゲの垂れ具合など、コメントから読み解くのも楽しい!
刊行告知のSNSで多数の反響があったという本書。本体価格1200円+税というお手頃さも嬉しいですよね。お絵描き好きな子はもちろん、苦手だけど本当はささっとセンスよく描いてみたい……なんてひそかに思っている大人にもぜひどうぞ。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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