今から遡ること56年前の1966年3月,本誌『日本の科学者』創刊号が刊行された.刊行を後押しした背景の一つとして,当時における民主主義の危機が存在していたことに疑いの余地はない.
それから半世紀以上を経た今日,依然として民主主義は逆風にさらされている.
民主主義の深化や今後の在り方を模索することは,尊厳や平等に裏打ちされた市民生活を営む上でも喫緊の課題といえよう.本特集では,その一助を担うべく,民主主義を取り巻く国内外の様々な領域における言説や動向を取り上げ,その実態を分析することを目的とする.
(「現代民主主義を問う 吉岡宏祐」より)
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