国語科の古典「漢文」を中心に教育方法・教材研究・教育実践の方面から多角的に共同研究を推進してきた著者が、新学習指導要領への移行を視野に入れて、『国語科教育教材の中の「中国」』について、考察する。
第一部〔唐詩と道真詩〕、杜甫と王維、日本の菅原道真の詩歌に関する考察を展開。第二部は、〔中国小説と教材〕として、唐代の「人面桃花」、中島敦「山月記」、魯迅「故郷」という小説教材への考察を行う。第三部は、〔史伝と英傑〕と題し、漢楚興亡の項羽と劉邦に源頼朝を絡めて比較文学的な考察を試み、第四部〔文化と言語〕には、「鶏鳴」「竹馬」「扇」を通した伝統的な文化や漢字・漢語・漢文に関わる学びを試みている。
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