絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  絵本紹介  >  【重版決定!】ねこの飼い主の感動の再会を描いた『ただいまねこ』

永遠に失われることのない、宝物のような時間

わたしたちは、ときに大切なものを失う、という経験をします。その悲しみは、そう簡単には消えません。もし、和らげてくれるものがあるとするならば、幸せな時間をともに過ごした、という記憶でしょうか……。そのかけがえのない思い出のおかげで、傷ついた心はゆっくりと癒されていきます。
 
発売前から大きな反響があり、1か月あまりで増刷が決定した『ただいまねこ』は、この世から旅立った黒白猫ちびたが、ある夏の日、飼い主のあかりちゃんの元に帰ってくる物語です。決して、悲しいおはなしではありません。読後、温かくやさしい気持ちで満たされる感覚を、ぜひ味わってください。

  • ただいまねこ

    出版社からの内容紹介

    「あかりちゃーん、ただいま」。大好きな人との再会を描いた涙の感動作

    この絵本の主人公は黒白猫のちびた。毎日ゴロゴロ、おだやかな日々を送っています。そんなある日のこと、仲間の猫が「きょうは、年に一度のおうちに帰る日だよ」と、言い出しました。わけがわからず渡された三角の布を頭につけると、ちびたは思い出します。自分はあかりちゃんのうちの猫で、彼女たちとかけがえのない時間をすごし、年老いたある日、死を迎えたことを──。

    大切なものとの別れは、だれにとってもつらく悲しいものですが、本書のなかではその先に訪れる穏やかで静かな時間を描いています。現在、学校現場でも重要視されている「デス・エデュケーション(死をとおしてよりよく生きることを考える教育)」にも最適な一冊です。

「ただいま!」 懐かしいわが家に戻って来たちびた

ねこのちびたは、毎日幸せに暮らしていました。ふかふかのお布団は最高に気持ちがいいし、食べ物はたくさんあるし、出会うねこはいいやつばかり!

ちびたには、よく見る夢がありました。誰かに名前を呼ばれ、やわらかな手で背中をなでられる夢です。でもそれが誰なのか、わからないちびた。

ある日のこと、仲間のねこが「きょうは1年に一度おうちに帰る日だよ」と言い出します。わけがわからないまま、小さな三角の布を頭に巻いてもらうと、思い出します。大好きな家で、家族と楽しく一緒に過ごし、年老いて死を迎えたことを。

そんなちびたは、きゅうりのバスに乗って、おうちに帰ります。

おうちに着いたちびたが、真っ先に向かった先は……

こうして、ちびたは大好きな人に再会。

はたして、あかりちゃんはちびたの存在に気づくでしょうか……。

作者・ミヤザーナツさんの体験から生まれたおはなし

『ただいまねこ』は、ねこのちびたの視点から、死後の世界を描いています。ちびた自身も「まいにち しあわせ。」と言うとおり、ねこたちはとても居心地のよさそうな場所で過ごしています。

別れは悲しいけれど、大好きだったねこが、こんな素敵なところで暮らしているのだと思えば安心しますね。なんだかちびたに「もうそんなに悲しまないで。心配しなくていいよ」と励まされているような気持ちになります。

じつはこの『ただいまねこ』、ねこの「チビ太」を亡くした作者・ミヤザーナツさんの経験がベースになっています。チビ太が、病気で旅立ったのは8年前。ミヤザーさんは、数年のあいだ、ねこの絵を描くことが難しくなるくらいまいってしまったそうです。
 
それから月日が経った2020年のお盆のころ、ミヤザーさんはふと思い立ってSNS用に一枚の絵を描きました。そして、長年飼っていたねこを失った友人と「こんなふうに帰ってきてほしいね」とやりとりを交わしたと言います。「いつか気持ちが落ち着いたときに、自分だけのためにこっそり本にしよう」と思って温めていたおはなしが、ねこ好きの編集者さんとの巡り合いで絵本になったのです。
 
タイトルが「おかえりねこ」ではなく、「ただいまねこ」なのは、この世に帰ってくるちびたの立ち場から創ったおはなしだからだそう。ミヤザーさんは、この作品への想いをNHK出版のnote「本がひらく」のインタビューの中で語っています。それを読むと、より深く物語の世界を感じられると思います。

本がひらく (nhkbook-hiraku.com)

「泣けた」、「感動した」の声が続出!

発売前の作品が読めるサービス「NetGalley」に寄せられたレビューの一部をご紹介します。

●大切なペットや家族を亡くした子どもにも、大人にも、優しい絵と言葉で寄り添ってくれる良い絵本だと思いました。 (図書館関係者)

●生きているものは必ず命を失います。それでも今まで注いできた愛情をいなくなってからでも注ぎ続けたいと、世話をしてきた人は誰もが強くそう考えると思います。それを猫の側から表しているのが新鮮な感じがしました。「猫もさびしさを感じたり、この日が待ち遠しいと思ったりして、一緒にいてくれた人たちへの思いが心の中に残り続けるのかな。そうであってほしいな」と、この本を読みながら思いました。(いま横にいるわが家の猫を見て涙してます)(レビュアー)

●大切な存在が眼の前から居なくなったときは悲しくて、悲しくて、気持ちがふさぎ込んでしまうけれど。でも違うんだよね。みんな別の場所で穏やかに過ごしているんだよね。私も一緒に過ごしてくれた人や動物たちを忘れずに思い出して、笑顔で「ありがとう」と言いたいです。(レビュアー)

いかがでしたか?
 

ねこと飼い主の心のつながりが表現された、心温まる絵本でしたね。
ねこ好き、動物好きの人はもちろん、大切な存在を亡くした人にも手にとっていただきたい絵本です。

構成・文/中村美奈子(絵本ナビ)

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