たべるのだいすき
- 作:
- きむら ゆういち
- 出版社:
- 偕成社
お子さんの食が細いという悩みから生まれた絵本とうかがいました。
じつは僕も小さいころ食べることは嫌いで、いまでは考えられないぐらい痩せてたんです。母親が運動会で僕をさがすとき、一番脚の細い子どもをさがせば、僕だ、というくらい。
いま、うちの子も体重が標準に追いつかなくて、ごはんを食べることが好きじゃなくて。どうやったらごはんをモリモリ食べてくれるだろうという悩みが、ずっと続いています。いかにしてごはんの前にお菓子を食べずに主食のものをいっぱい食べさせるか、も日々試行錯誤してます。
大人になって振りかえると、子どものころは、食べることってすばらしくて、楽しくてとてもうれしいということが、分かっていなかったんです。それで、絵本で、食べることって楽しいと伝えたい、というのがこの本をつくったきっかけでした。
きむらさんも、食が細かったのですね! 絵本に出てくる食べものにもこだわりがありますか?
食べものは子どもの好きなものを考えて、なるべくたくさん描くようにしました。ウィンナー、目玉焼き、バナナ、ハンバーグ、エビフライ、唐揚げ、おにぎりにカレーなど、せいいっぱい食べてもらえるように。
あと、絵の中のにんじんなどはスティック状にするなど、ちいさい子どもが食べるときに危なくないような形で描いています。
ちなみに、きむらさんとお子さんの好きな食べ物はなんでしょうか?
このあいだ、地球最後の日に食べるベストスリーというエッセイを書いたんです。僕の好きな食べものは、1位うなぎ、2位すき焼き、3位トンカツと卵かけごはんです。
子どもが好きなものは、ブームがあるんですよ。このあいだまで納豆が好きで、毎回納豆がなきゃ食べない状態で、冷蔵庫いっぱいに用意していたのに、ブームが去って食べなくなりました。韓国のりも好きな時期がありましたが、これもたくさん買ったのに、途中で食べなくなっちゃったんですよね。