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作: えがしら みちこ  出版社: 講談社 講談社の特集ページがあります!
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江戸の町を練り歩く、動物たちの愉快な見物行脚の物語『はなびのひ』たしろちさとさんインタビュー

「チュウチュウ通りのゆかいななかまたち」シリーズ(あすなろ書房)の挿絵をはじめとして、温かみのある柔らかなタッチで描かれた動物の物語「つんつくむら」シリーズ(講談社)、町に暮らすねずみたちの暮らしを描いた「5ひきのすてきなねずみ」シリーズ(ほるぷ出版)など、たくさんの人気作品を生み出してきた、たしろちさとさんの最新作『はなびのひ』が発売されました。
舞台は、賑やかな江戸の町。題名通り、江戸の華とも言われる「花火」をテーマにした絵本です。 今回、「和」を題材とした絵本に初めて挑戦したというたしろさんに、おはなしのテーマ選びから絵づくりまで、制作秘話をたっぷりとお伺いしました。

はなびのひ
はなびのひの試し読みができます!
作:たしろ ちさと
出版社:佼成出版社

今日は待ちに待ったお江戸の花火大会。早く夜にならないかと退屈していたぽんきちは、お母ちゃんに頼まれて、花火職人のお父ちゃんに夜食を届けに出かけました。すると、それを見た人たちが次々と後をついてゆき、町中が大騒ぎに! 江戸の町並みと夜空に咲く大輪の花火が夏の風情を感じさせる、たしろちさと初の和風絵本です。

魅力的な江戸の町を舞台にした物語を描きたくて

───たしろさんといえば、「チュウチュウ通りのゆかいななかまたち」シリーズの挿絵に代表される、洋風の街並みの絵が印象的でした。 『はなびのひ』は江戸が舞台と知り、「たしろさんが描く江戸の町はどんな風だろう?」とわくわくしました。どのページを見ても、活き活きとした江戸の下町風景が広がっていて、江戸の人の暮らしぶりがよくわかり、すごくおもしろかったです。
江戸を舞台にしたお話を作ろうと思ったのは、なぜですか?

たしろ:よく「海外の絵本のような絵ですね」とおっしゃっていただくことが多いんですが、自分では外国風に描こうと思って描いていたわけではなく、自然とそういう絵になってしまったという感じだったんです。それで、少し違うテイストの絵に挑戦したいなという気持ちがありました。
もう1つの理由は、絵本の世界として「江戸」を描くのは、きっと楽しいだろうなと思っていたからです。子どもの頃は『水戸黄門』などのテレビ時代劇を観たり、大人になってからは藤沢周平さんの本が好きで読んだりして、おもしろいなと思っていて。だから、いつか挑戦してみたかったんです。

───それでは、『はなびのひ』は、花火のおはなしを描きたいと思って、舞台を江戸にしたのでしょうか? それともその逆ですか?

たしろ:江戸が先でした。私は建物が好きなので、江戸の建物を描いてみたいなという気持ちがあって。

───江戸の町のどんなところに、魅力を感じましたか?

たしろ:江戸言葉からも感じられるように、町にすごく活気があって、人々が生活を楽しんでいたイメージがありました。さらに資料を調べていくと、江戸の町には屋台がたくさんあって、お寿司も屋台のお店が始まりだったなど、食いしん坊の目から見ても楽しそうだったんです。
時代が違うので、実際にその場所には行けないんですが、『はなびのひ』では、動物たちを通して、江戸の活気あふれる町の雰囲気を描けたらいいなという思いがありました。

───作品の中には、「髪結い屋」や「傘屋」などのお店や、江戸時代の学校だった「寺子屋」、「魚売り」や「飛脚」などの流しの商売人など、20種類以上の店や職人さんたちが描かれています。
建物はもちろん、人々の暮らしぶりも細やかに描かれていますが、どんな風に調べたのですか?

たしろ:資料を集めたほかに、編集の藤本さんと一緒に、江戸東京博物館や両国花火資料館へ取材に行きました。

藤本:江戸東京博物館には、江戸の街並みを再現した大きなジオラマが展示されているんです。そのジオラマを見ているだけで、わくわくしましたね。

たしろ:そうですね。ジオラマは物語があるように作られていて、カメラの望遠レンズを覗きながら「この人はどんな仕事をしているんだろう」と想像しながら、楽しく取材させていただきました。
取材中は、学芸員さんが付きっきりで説明してくださったので、おもしろいお話がたくさん聞けたんですよ。

───学芸員さんの話で、印象に残ったものはなんでしたか?

たしろ:長屋の構造など、絵本に必要なお話もおもしろかったのですが、「出版と情報」というコーナーで聞いた、錦絵の刷り方のお話がおもしろかったです。
江戸時代の本屋は、自分の所で印刷・製本して、その本を貸したり売ったりする、今の出版社と書店両方の機能を備えていたんだそうです。それで、本屋さんを描きたいなと思って、実際に登場させました。


立ち読みもOKだった江戸時代の本屋さん(左)と、町のあちこちにある食べ物屋さん(右)。

藤本:私が、学芸員さんの話でおもしろいなと思ったのは、家の台所のつくりが簡素なことでした。理由を聞いたら、独身男性が多かった江戸では、家でご飯をつくる習慣があまりなくて、外食するのが一般的だったそうです。冷蔵庫がない時代なので、家で食材の保存ができなかったのが理由だと聞いて、納得しました。

たしろ:だから、町にはいつも食べ物の屋台が出ていたり、食事処が多かったりするんですよ。

───それで絵本の中にも、たくさん食べ物屋さんが描かれているんですね。
次のページでは、絵の制作で工夫したことや苦労したことなどをお伺いします。

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たしろ ちさと

  • 東京都生まれ。大学で経済学を学んだ後、4年間の会社勤めを経て、絵本の制作を始める。世界的編集人、マイケル・ノイゲバウアーが見い出し、「ぼくはカメレオン」で世界7カ国語同時デビュー。『5ひきのすてきなねずみ ひっこしだいさくせん』で2011年日本絵本賞を受賞。作品に、『ぼくはカメレオン』(グランまま社)、『かあさん』『ねえ、あそぼうよ』(以上、「こどものとも0.1.2」福音館書店)、『じめんのしたの小さなむし』(福音館書店)、『くんくん、いいにおい』(グランまま社)、『ポレポレやまのぼり』(大日本図書)、『ぼくうまれるよ』(アリス館)などがある。神奈川県在住

作品紹介

はなびのひ
はなびのひの試し読みができます!
作:たしろ ちさと
出版社:佼成出版社
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