●新刊のポイントは変顔? 声に出して読みたいことば遊び絵本
───今回、『に〜っこり』『おいし〜い』『おやすみ〜』に新刊が出ると聞きました。
はい。ちょうど今日(取材日)、校了(印刷前の最終確認)を迎えたばかり。タイトルは『ぷっぷっぷ〜』です。
───『ぷっぷっぷ〜』、かわいいタイトルですね。今回はどういうおはなしなんですか?
『ぷっぷっぷ〜』は、今までの3冊とはちょっと趣向を変えて、「ぱぴぷぺぽ」の音の楽しさを感じてもらえる絵本になっています。
───「ぱちぱちぱち」「ぴっぴっぴっ」など、声に出すと気持ちいい音がいっぱい! そして赤ちゃんも今回は今まで以上に色んな動きをしていて、見ているだけで笑顔になります。

『ぷっぷっぷ〜』の一場面
前3作は、赤ちゃんのアップの絵が多かったのですが、今回は赤ちゃん以外のおもちゃや生き物もたくさん出てくるので、お子さんと一緒に「ペンギンさんがいるね」「小鳥さんがいるよ」とはなしながら読んでもらうのも良いと思います。
───動きもそうですが、表情もさらに豊かになっていますね。
「ぷ」の顔は今まで出てきていないと思います。この赤ちゃん、眉毛がないので、「ぷぷぷっ」という顔にするのが今回、一番苦労しました。
───パパとママと一緒に「ぷっぷっぷ〜」と言っているのがとても可愛いです。表紙の白も今までと違う印象を受けました。
そうですね。特に今回は赤ちゃん以外のキャラクターも登場させたので、より一層にぎやかになっていると思います。
───4冊目が言葉遊びの絵本ということで、まだまだこのシリーズが続きそうな予感がしました。
編集者さんとは6冊出して、六つ子を本屋さんに並べたいという願望を話しています(笑)。そのくらい続いてくれるといいなって思いますね。皆さんに支えていただき、毎年1回のペースで新刊を出させていただき、4年目となりますが、絵本の中の赤ちゃんは永遠の赤ちゃん、スーパーベイビーなので(笑)。変わらず、長く続けていけたらいいなと思っています。
───スーパーベイビーの絵本、これからも楽しみにしています。最後に、絵本ナビユーザーに新刊のオススメをお願いします。
『ぷっぷっぷ〜』では、今までに出てきていない赤ちゃんの表情をいっぱい描きました。言葉遊びの絵本なので、言葉の音に合わせて、色んな表情をして遊んでもらえたら嬉しいです。そして、最後の「ぷっぷっぷ〜」の場面では、みんなで渾身の変顔をしてください。絵本ナビさんでは今までたくさんレビューを頂き、作品を作るパワーになりました。『ぷっぷっぷ〜』では、みなさんの変顔を送ってもらって、「変顔コンテスト」をやってみたいです!

───「変顔コンテスト」! ぜひ、やりたいですね。今日は本当にどうもありがとうございました。
●いしづちひろさんより「作者のことば」をいただきました。
生まれて間もないころの赤ん坊は、一人では何もできない……と思いがちですよね。
けれども本当は、じつにたくさんのことを活発におこなっているのです。
そうです! 起きている間はいつだって、手足をバタバタと動かして全身運動をおこなっていますし、身のまわりの物音に絶えず耳を傾けています。同じく、目に映るすべてのものを観察しているのです。
さらには、あまり気に留めない人が多いのですが、赤ん坊は絶えずおしゃべりをしています。
もうとっくに成人している娘が、まだ0歳だったころに気づいたのですが……赤ん坊というのは、機嫌のいいときには、必ずと言っていいほど「ぱぴぷぺぽ」の音を口にするのです。
赤ん坊の「ぱぴぷぺぽ」好きを発見してからというもの、私は娘をあやすときには、いつもこれらの音の入った言葉を発するようになりました。
この絵本を、とびっきり明るい声で、赤ちゃんに読んであげてください。そうすれば、赤ちゃんはきっと、ご機嫌な声で笑ってくれることでしょう。
すべての赤ちゃんが、いつも笑顔でいられるような世の中になることをねがいつつ……。
(「絵本のたから箱」より転載)

インタビュー・文: 木村春子
撮影:所靖子