絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  楽しいしかけで、はじめての図鑑にぴったり!「はっけんずかん」シリーズ『はっけんずかん たべもの』さこももみさんインタビュー

「子育てがうまくいきますように」と思ったら、お弁当を作ったら良いと思います。

───先ほど、旦那さんのご実家が農家と伺いましたが、図鑑の絵の中にモデルで登場しているのですか?

そうですね。「どうやって できるの? おこめ」のお米作りをしている人たちは、実家の両親と夫がモデルになっていると思います。私は川に苗箱を洗いに行っているので、いません(笑)。あと、「おいしい!が いっぱい レストラン」の場面のお客さんも我が家の家族構成になっています。

───お子さんがふたりいらっしゃるんですね。お子さんも農作業を手伝ったりしたのですか?

はい。米作りの手伝いはもちろん、農家で作っている野菜の収穫作業も手伝っていました。息子も娘も今は就職して、家を出て暮らしていますが、実家で作ったお米を食べて育ったせいか、おいしいものが大好きですね。


レストランのお客さんのモデルも、さこさんファミリー!

───自分たちが手伝ったお米や野菜を食べられるなんて、うらやましいです! 今回、「たべもの」図鑑のおはなしなので、さこさんのお宅の食事に関するエピソードを伺えたらと思います。

そうですね……。我が家では子どもが幼稚園のときから高校卒業するまで、娘と息子と夫、3人分のお弁当を作っていたんですよ。

───毎日、3人分ですか! すごい!

特に男の子は中高生になると反抗期も出てくるじゃないですか。でも、お弁当を食べてくれている内は大丈夫だと思っていたんです。実際に、今でも息子が我が家に帰ってきたとき、せっかくだから好きなものを作ってあげたいと思って「何が食べたい?」と聞くんです。すると、「お弁当に入っていた、あのおかず作って」と言われます。お弁当を作りつづけていたことは無駄じゃなかったんだって思いますね。

───それは、嬉しいですね! 

娘にも、幼稚園に入ったばかりのときに言われたことがあるんです。「お弁当があると、お母さんがいるみたいだから、寂しくないの」って。

───うわ〜、泣いちゃう! そんなこと言われたら。

そう! これは頑張んなくちゃっと思って、ずっと作りつづけました。娘が大学に受かって家を出るときに、「これでお弁当も卒業かぁ……」って思っていたんです。そうしたら、「お母さん、私たちがいなくなるからって、お父さんの弁当、やめちゃダメだよ」って言われて……。休み休みですが、今も夫に作っています(笑)。

───娘さんはお母さんの性格を分かっていたんですね(笑)。毎日お弁当を作っていたら、好き嫌いなども少なかったんじゃないですか?

そんなことないですよ。うちの子は小食で偏食でした。でも、無理に嫌いなものを入れて食べさせようとはしませんでしたね。食事って、薬じゃないので家族と食べている時間は楽しくなくちゃと思っていたんです。それに、子どもの頃苦手でも、二十歳過ぎれば自然と食べられるようになりますから。神経質になりすぎるとお母さんも疲れてしまうので、どうか、気に病まずに、楽しく子育てをできるようにするのが大切だと思います。


絵を描くときの画材も見せていただきました。

───たしかに、子どもの頃苦手でも大人になって好きになる物も多いですよね。

そうなんです。我が家も上の子は魚が嫌いでしたけど、大人になったら食べられるようになりましたし、小さい頃も牛乳はたくさん飲んでいたので、それで魚で取れないカルシウムなどは補えていたんじゃないかと勝手に思っています(笑)。それと、やはりお弁当って、語らないけどつながるものがあるなと思います。作ってもらうのは子どもが嬉しいですが、食べて、おいしいって言ってもらうのって母親が嬉しいですよね。ふしぎですけど、ありがたい説教よりも、心のごちそうになるのかなあって。

───お弁当が心のごちそう、とても素敵ですね。

「子育てがうまくいきますように」と思ったら、お弁当を作ったら良いと思います。子どもたちからお弁当のリクエストがあったり、友達に評判だったから多めに作ってと言われて、はりきっちゃったり(笑)、作る方も楽しめるのが良いですよね。

───子どもの頃に作ってもらったお弁当って、ふしぎと記憶に残っていますよね。お弁当のおはなしを伺って、この『はっけんずかん たべもの』の絵を描かれたのが、さこさんで改めて良かったと思いました。

そういっていただけると嬉しいですね。

───最後に、「おいしい!が いっぱい スーパーマーケット」の場面についてお聞かせください。こんなに細かくスーパーの様子が描かれていて、見応えありますね!

ありがとうございます! 私は、スーパーも大好きなんです。海外に行ったら、必ず現地のスーパーへ行って、かわいいパッケージのお菓子をチェックしたりしています。 スーパーマーケットの絵は、いろいろな食材を扱っているので、しかけを考えるのが特に楽しかったですね。フェアを行っている陳列台では、季節によって行われるフェアが代わってくることをしかけで伝えました。

───めくると何が出てくるのかワクワクできるのが、「はっけんずかん」シリーズの楽しいところですね。また、このシリーズの絵を頼まれたら、描いてみたいテーマはありますか?

図鑑専属絵本作家としては(笑)、何でも描いてみたいです。図鑑は今まで描いたことのない絵を描けるが面白いので、昆虫とか、お菓子とか、あと、世界の人々も図鑑で描いてみたいです。日本の絵本は日本人しか描かないですよね。でも、図鑑ならいろいろな国の人も、いろいろな民族衣装も描けるので楽しいだろうなと思います。

───いろいろ図鑑の夢が広がりますね! 今日は本当にありがとうございました。

制作風景&インタビュー動画 公開中!

インタビュー・文: 木村春子
撮影:所靖子

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さこももみ

  • 1961年東京都生まれ。東京学芸大学美術教育学科卒業。小学校教員を経て、イラストレーター、絵本作家になる。絵本、雑誌、書籍、企業のWEB等で幅広く活躍している。主な作品に「こんなときってなんていう?」シリーズ(ひかりのくに)、「イーノとダイジョブ」シリーズ、『まんま』『ねんね』(講談社)、『へんしん!ぱんやさん』(教育画劇)、『トトとライヨ じてんしゃのれた!』(アリス館)、『ぼくはひなのおにいちゃん』(文化出版局)、「ペコルちゃん」シリーズ(くもん出版)など多数。日本児童出版美術家連盟会員。広島県在住。

作品紹介

はっけんずかん たべもの
絵:さこ ももみ
監修:渋川 祥子
出版社:Gakken
はっけんずかん きょうりゅう 新版
絵:工藤 晃司
監修:真鍋 真
出版社:Gakken
はっけんずかん どうぶつ 改訂版
絵:山口まさよし
監修:今泉 忠明
出版社:Gakken
はっけんずかん でんしゃ・しんかんせん
絵:西片 拓史
監修:松尾 定行
出版社:Gakken
はっけんずかん しょくぶつ
絵:澤田 知恵子
監修:須田研二
出版社:Gakken
はっけんずかん むし
はっけんずかん むしの試し読みができます!
絵:中村みつを
監修:海野 和男
出版社:Gakken
はっけんずかん うみ
はっけんずかん うみの試し読みができます!
絵:西片 拓史
監修:武田正倫
出版社:Gakken
はっけんずかん のりもの 改訂版
絵:西片 拓史
監修:大山昌夫
出版社:Gakken
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