絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  「わたしたちは みんな ほんとうを かかえているんだ。」『ぼくのなかのほんとう』 翻訳者・若林千鶴さんインタビュー

たるいしまこさんの絵が、物語をより生き生きとさせてくれています。

───本の中の随所に、イラストが載っていますが、たるいしまこさんの描くマッディやヘンリー、ロバートのイラストが親しみやすく、手に取りやすい装幀だと思いました。

原書には、物語のイラストはありません。表紙もあまり子どもが手に取りやすい感じではないので、今回のように親しみやすい表紙や物語のイラストを描き下ろしていただけるのはとても嬉しいことです。

───所々、カラーでイラストが載っているところも、見ごたえがありますね。

カラーページ、すごく良いでしょう。翻訳読み物のイラストでカラーが使われることはめったに無いんです。このページを拝見したとき、とても感動しました。

───どのページをカラーで描くかは、若林さんからお願いしたのですか?

いいえ。きっと、たるいしさんと編集さんが作品を読んだときに、目に浮かんだ印象的な場面を描いてくださったのではないかと思います。劇中劇のようなヘンリーの「じぶんだけのほんとう」である、帆船の船乗りのイラストは迫力があって、私にとって嬉しいサプライズでした。日の出の光が差し込む森の中でエリーがほかの動物たちと一緒にいる場面はとても美しいですよね。

───エリーは元々、動物は好きだけれど、リスは追いかけてしまう犬でした。でも、マッディと一緒に暮らすことで、リスが近くにいても追いかけなくなり、森の中では、動物たちに囲まれても静かにしている。とても成長したと思います。

そうですね。ロバートもエリーも、そしてジュディスも。物語の中で少しずつ成長しているように感じられるので、読んでいる方もそれぞれの登場人物を応援してくださるのではないでしょうか。

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若林千鶴(ワカバヤシチヅル)

  • 大阪府生まれ。大阪教育大学大学院修了。公立中学校で長年「たのしく読んで考える読書」を中心に指導と実践。著書に『学校図書館を子どもたちと楽しもう』(青弓社)、『読書感想文を楽しもう』(全国学校図書館協議会)ほか。翻訳は『はばたけ、ルイ!』(リーブル)、『スターリンの鼻が落っこちた』『アルカ―デイのゴール』(以上岩波書店)、『ぼくと象のものがたり』(鈴木出版)、『あたし、アンバー・ブラウン!』(文研出版)ほか多数。大阪市在住。

作品紹介

ぼくのなかのほんとう
ぼくのなかのほんとうの試し読みができます!
作:パトリシア・マクラクラン
訳:若林千鶴
絵:たるいし まこ
出版社:リーブル
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