●マンガと絵本の中間のような作品を描いてみたいです。
───今、自作絵本と、絵だけを担当されている絵本があると思います。絵を描くときの気持ちに変化はありますか?
どうでしょう……。ぼくらは絵だけを担当する作品もけっこう好きで、おはなしに合わせて、線画で描いたり、色をべったりと塗った描き方をしたり、絵のタッチをいろいろ変えています。
───では、文章が違う方の方が、新しいタッチで描くことが多いですか?
あえて変えるというよりも、今までやったタッチでやろうと思うんですけど、おはなしと合わない気がしてきて、最終的に変わってしまうんです。無理にタッチを考えるというよりも、おはなしに合わせて描いていたら、自然と今までのタッチと違っていたというのが多いですね。
───『いっこさんこ』のような赤ちゃん絵本から、『よしおくんがぎゅうにゅうをこぼしてしまったおはなし』(岩崎書店)のようなナンセンス絵本まで、幅広いジャンルで活躍されているお二人ですが、今、新たに手掛けてみたい作品、ジャンルなどはありますか?
今は、マンガと絵本の中間みたいなものをやってみたいと思っています。「タンタンの冒険」シリーズのように、子どもも楽しめて、親も「マンガなんか読んで!」と怒らないような作品を作ってみたいですね。
───もともと、マンガ家を目指されていたんですものね。
まあ、当時描いていたものとは全然、違うものになると思います。マンガを描きたいというよりも、絵本とマンガを混ぜたような、新しい表現をしてみたいという気持ちが強いんです。
───なるほど。今日はいろいろお話を伺うことができました。最後に、『いっこさんこ』のみどころを教えていただけますでしょうか?
先程もお話ししましたが、当たり前のことや、自分がすでに知っている面白さを、もう一度再発見できるような本になっていると良いなと思います。お子さんと一緒に絵本を読む親御さんも、こういうちょっと外す感じも面白いんだなと、クスッと笑いながら楽しんでもらえると嬉しいです。
───ありがとうございました。
取材・文/木村春子
撮影/所靖子
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