●もへろん流 キャラクターの生み出し方を教えます!
───絵本の中には、ぬらりひょんの「ひょんちゃん」やおにびの「ぼーすけ」など名前が登場するキャラクター以外にも、いろいろな妖怪が出てきていて、妖怪たちを見つけるだけでも、すごく面白いと思いました。
ありがとうございます。実は、最初は「妖怪図鑑」のようなものを作っていまして、最初のラフの段階では、もっともっと妖怪が登場していたんです。それでは、おはなしとして収集がつかないと、編集者さんにアドバイスをいただいて、今回は、ひょんちゃんを中心にした物語でまとめることにしました。
───『てるちゃんと ようかいさんの おはなし』には、ほかにどんな妖怪が登場するか、教えてもらえますか?
まず、元々いる妖怪では「カッパ」、「かまいたち」、「九尾の狐」、「おはぐろべったり」、「百目」、「雪女」あと「うしおに」などの妖怪が登場します。
───九尾の狐は、頭に油揚げがのっているんですね。
オリジナルの妖怪は、お気に入りの「まとはずれ」と「へびどりさん」、「おたふくにゅうどう」、「めぱっちり」、「たけのこぼうず」。あと、折れているのは「おれかっくん」って言います。
───オリジナル妖怪は名前もかわいいですね。オリジナルの妖怪はどうやってアイディアを思いつくのですか?
基本的に「妖怪を描こう!」と思うよりも、いつも手を動かして何かしら描いている中で、この子は妖怪になるなと思う瞬間があるんです。そうしたら、その落描きからどういう性格にしていくか、どんな特徴を持たせるか考えていって、キャラクターを生み出します。
───では、日常的に絵を描いている中で、生み出されたキャラクターを肉付けしていく感じなんですね。
そうですね。そこは、妖怪もほかのキャラクターも作り方は変わりません。
───もへろんさんは今までに、あの「ひこにゃん」や京都タワーの「たわわちゃん」、阪急・のせでんハイキングキャラクターの「ぴょんちゃん・のんちゃん」などたくさんのキャラクターを生み出していますが、キャラクターを作る中で、特に大切にしているところはどこですか?
うーん……。基本的に「かわいく描く」ということは、常に考えていますね。自分が「こういうものを描いたらかわいいと思う」という感覚を一番大事にしていると思います。
───たしかに、どのキャラクターもかわいいです! キャラクターを作るときに、一番難しい作業はなんですか?
やっぱり、かわいいバランスを追求していく作業ですね。例えば、同じ輪郭でもちょっと目の位置をずらしたり、大きさを変えることで、かわいさが激変することがあるんです。そういう細かいバランス調整は、かなり重点的にやっていますし、等身や手足の長さなどを描き込んでいって、バランスとっていく工程が、一番難しいですね。
───そういう作業は、長年の感覚が大事になっていたりするのでしょうか?
そうですね。15年近くキャラクターを作ってきて、経験として分かる部分も出てきたように思います。それでも、まだまだ、かわいく描けるのではないかと常に模索している感じですね。