●これからもかわいいキャラクターのたくさん登場する、絵本を作っていきたいです。
───『てるちゃんと ようかいさんの おはなし』は、もへろんさん初のオリジナル絵本ですが、この作品を出版する以前にも、京都タワーの「たわわちゃん」を主人公にした『こんにちは たわわちゃん』など、いくつか絵本を出版されています。元々絵本を描くことに興味があったのですか?
そうですね。自分の作風を見たときに、絵本に合うイラストなんじゃないかと感じていました。ただ、子どものころはあまり絵本に興味がなくて、怪獣とか特撮ヒーローが好きな、普通の男の子だったんです。絵本に興味を持つようになったのは、大人になってからですね。
───絵を描くことは、ずっと好きだったんですか?
元々、祖父が漫画家だったり、両親がデザイン会社を経営していたりと、身の回りにいつも紙とペンがある環境だったんです。それで、ぼくも自然とペンを手に、絵を描いていました。ただ、どんなに怖い怪獣や恐竜を描こうと思っても、なぜかフォルムが丸くなって、かわいくなっちゃうんですよね。若いころはかわいいキャラクターばかりを描くことに葛藤がありました。
もちろん、今も全然違うタッチを描いてみたいという思いはあるのですが、どうしてもかわいくなってしまう……(笑)。今は、かわいいタッチも自分の個性として受け入れてます。もちろん、生まれてきたキャラクターはみんな、とっても愛おしく思っています。
───もへろんさんの作るかわいいキャラクターをこれからもたくさん見てみたいです! ちなみに、今、イチ押しのキャラクターはどれですか?
「さくさくくん」です。さくさくくんは、ぼくが小学生くらいのころから描いているキャラクターで、ぼくが初めてデザインした、とても思い入れの深いキャラクターなんです。
───黄色くて、ほわほわしていて見ているだけでなごみますね。これは、何がモチーフになっているんですか?
特にモデルはいなくて、自分自身の分身のような存在なんです。
───もへろんさんの分身。どんな性格なんですか?
明るくて、のんびり屋。ぼくの中の「楽しい」や「嬉しい」といった、ポジティブな感情を表現してくれるキャラクターなんです。
───とてもしあわせなキャラクターですね。幸せに満ちた表情なのもうなづけます。
さくさくくんには、「ぶたばなくん」という友だちがいるんです。ぶたばなくんは、さくさくくんより、ちょっと控えめな子なんですが、天然な部分もあるさくさくくんを、そっと支えてくれる、心強い相棒なんです。
───さくさくくんと、ぶたばなくん。良いコンビなんですね。
ぼくの中では、この2人がぼくの感情を表す陰陽のような存在で、常に一緒にいるイメージなんです。今、さくさくくんはいろいろキャラクター化に向けて、動き出そうとしているのですが、いつか、さくさくくんとぶたばなくんを主人公にした絵本を作りたいと思います。
───それはすごく楽しみです! 『てるちゃんと ようかいさんの おはなし』も、これからまだまだ続きそうな作品だと思いました。
そうですね。今回はひょんちゃんとてるちゃんのやりとりがメインでしたが、まだまだいろいろな妖怪さんがいますので、妖怪ひとりずつにスポットが当たるような絵本を作っていけたら嬉しいです。
───私たちも続編を楽しみに待ちたいと思います。最後に絵本ナビユーザーへ、メッセージをいただけますでしょうか?
『てるちゃんと ようかいさんの おはなし』では、いろいろな妖怪さんが登場します。絵本の中で、ぜひ好きな妖怪さんを探してみてください。またお子さんといっしょに、新しい妖怪さんを作ってみるのも楽しいのではないでしょうか? 「妖怪」は、とっても想像力をかきたてる、魅力いっぱいの「ふしぎ」です。この絵本を通して、ふしぎな妖怪ワールドを楽しんでいただければ幸いです。
───ありがとうございました。
●たわわちゃんが助っ人に来てくれました!
京都タワーの人気者「たわわちゃん」が、もへろんさんの応援に駆けつけてくれました!
取材協力/京阪ホテルズ&リゾーツ株式会社(京都タワー)