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2016年 読書感想文・課題図書絵本ナビ編集部 2016/08/02 『二日月』 【小学校中学年の部】
小学校中学年の部の課題図書は4冊です。 課題図書(読書感想文)に選ばれる作品は、 ・発達段階に応じて楽しめる ・深い感動や新しい認識を与えられる ・他者を尊ぶ気持ちが貫かれている ・児童生徒の興味関心をひく内容 ・流行りに迎合的になりすぎていない ・ノンフィクションは事実に基づいている など、安心して子どもたちが読書を楽しめるものになっています。 次にどんな本を読もうかな?読ませようかな?と悩んだ時、ぜひ課題図書(読書感想文)の中から選んでみてくださいね。
■ 芽生は、懸命に生きている。それなのに…『二日月』 小学校中学年の部
● 選定理由は…
障がいのある妹、妹で手一杯で構ってくれない母親。頭ではわかっていても現状を受け入れられない少女の不満や葛藤と、それを乗り越えて成長していく姿、さらに障がいを持った人への思いを穏やかに描いている。 選定コメント:公益社団法人 全国学校図書館協議会
![]() 待望の赤ちゃんが産まれて、晴れてお姉ちゃんとなった、主人公の杏。 お母さんとお父さん、それから妹の芽生といっしょにはじめて四人で撮った写真は、みんな笑顔で写ってる! それなのに、芽生が生まれて一ヶ月、お母さんもお父さんも、なんだか様子がおかしい。 深刻になるのは、怖い。 それでも杏は勇気を出して、芽生のことをたずねました。 「芽生、病気なの?」 「芽生は、長く生きられないかもしれない。障がいが出るだろうって、言われたんだ」 ミルクがうまく飲めない芽生の体は、いつまでも細く、小さいまま。 病気にもかかりやすくて、救急車を呼ぶこともしばしばです。 それでも、ほんの少しずつでも芽生にできることが増えていくと、家族みんなで大喜び! 芽生は、懸命に生きている。 それなのに、家族を傷つけるものは、思ったよりもたくさんあって…… 鼻に管を通している芽生を見て、なんの気なしに発せられた「かわいそうに」という一言。 長生きできないという前提で話すお医者さんの言葉。 そして、なにより杏を傷つけたのは、心から妹を愛する反面、そんな妹を疎ましく思ったり恥ずかしく感じてしまう、自分自身の心でした。 「迷惑をかけるから、養護学校に通えばいいのに」 「迷惑だなんて思わない。でも、かわいそうだとは思う」 「なりたくて障がい者になった人なんていないもんね」 自分たちの学校に通う障がいを持った児童について、杏の友人たちが交わした言葉です。 彼らの話を聞いて、杏はその意見のどれにも、なにかモヤモヤとした思いを抱きます。 「あたしだって芽生のこと、かわいそうって思うことはある。でも、人に言われたくない。かわいそうなんて思われたくない」 障がいを持って生まれるとはどういうことなのか。 家族でそれを支え、共により良く生きるにはどうすればいいのか。 大人でも答えを出すのはむずかしいそんな問題と、まだ小さな杏は、突然向き合うことになります。 認めたくない自分自身の心の変化や、芽生を見る周りの目にとまどい、傷つきながらも、懸命に答えを探す杏。 そんな杏といっしょになって、「人を思いやる」ということの本当の意味を考えさせてくれる、やさしい一冊です。 ある日、杏は芽生と散歩に出たお母さんのあとを、こっそりつけていきます。 そしてじっと足を止めたまま、19秒もの間、公園に入るのをためらってたたずむ、お母さんの姿を見つけます。 そのあと公園で杏が聞いたのは、芽生に浴びせられた胸の裂けるような悲しいひとことでした。 どうしてお母さんは、わざわざ傷つくとわかっていて公園におもむいたのでしょう? 「よかったね、芽生、ママの子どもに生まれてきて」 そのあまりにもやさしい決意の意味を知ったとき、お母さんが立ち止まったまま過ごした19秒の重みに、心ふるえずにはいられません。 (堀井拓馬 小説家)
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絵本ナビ編集部
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