絵本ナビ×毎日新聞では、2016年の読書感想文・課題図書に選定された作品を、その選定理由を添えて紹介いたします!
昨年の引き続き、公益社団法人 全国学校図書館協議会に1作品ずつ、課題図書に選ばれた選定理由をお聞きしています。
なぜこの作品が選ばれたのか、理由を知ると、また作品への見方が少し変わってくるかもしれませんね。
【選定理由】
児童の身近にあるボタンを主人公にした親しみやすさと、低学年の児童が、自分も赤ちゃんの時から愛情を受けて成長してきたことを実感できる高い文学性。落ち着いた色調の絵に好感が持てる。
【選定理由】
本当は優しくしたいのにつっけんどんにしてしまうなど、ポジティブな気持ちとは裏腹にネガティブな行動をとるという、児童にとって親しみやすい内容を持ち、勇気を出したり優しくしたりすることを促している。
選定コメント:公益社団法人 全国学校図書館協議会
【選定理由】
障がいのある妹、妹で手一杯で構ってくれない母親。頭ではわかっていても現状を受け入れられない少女の不満や葛藤と、それを乗り越えて成長していく姿、さらに障がいを持った人への思いを穏やかに描いている。
【選定理由】
純粋に物語の面白さが味わえる作品。いわゆる常識を疑ってみることで違ったことが見えてくるというテーマの深読みができると、よりいっそうイメージが広がっていく。
【選定理由】
100年前の南カリフォルニア、砂漠の町サンディエゴの緑化に取り組んだ女性科学者で園芸家の生き方を知ることにより、信念と情熱を持って生きることの大切さを知る。環境問題を考えるきっかけにもなる点。
【選定理由】
古紙の再資源化というテーマで、リサイクルの大切さや資源問題・環境問題を考え、行動に移すきっかけとなり、新たな知識を得る喜びが感じられる。コロッケ先生こと小六信和氏の人柄にも感銘を受ける。
選定コメント:公益社団法人 全国学校図書館協議会
【選定理由】
少年がスリランカで出会った人々との交流を通して成長するというテーマ。スリランカの歴史や人々の暮らしなどを知り国際理解につながるとともに、物事を多面的に考え、違いを認めることで児童の視野が広がる。
【選定理由】
障がいのある主人公が差別的な言動を受けながらも、友人や家族の力により日々の生活を豊かにしていき、多くの友人を得るという優れた物語性と、他者を理解することの大切さや差別とは何かを考えさせる文学性を持つ。
【選定理由】
ダム計画により立ち退きを余儀なくされた集落で1軒だけ残った老夫婦の思いが題名となっている。変わりゆく人間社会と、変わらない大イチョウの木や老夫婦との対比から、社会について考えさせられる。
【選定理由】
大村氏の少年時代からノーベル賞受賞までの生い立ちを綴る。やる気と努力とアイディア、そして何事にも誠意をもって臨めば自ずと道が開けることや、身の回りの不思議に目を向けることの大切さが伝わる。
選定コメント:公益社団法人 全国学校図書館協議会
【選定理由】
アジア太平洋戦争での日本の負の面を考える端緒となる。戦争の傷は戦後何年も続くことを考えさせられ、平和の尊さを学べる。現在の社会状況や国際問題を考える糸口となる。
選定コメント:公益社団法人 全国学校図書館協議会
【選定理由】
部活動を通して自分を見つめる姿、兄弟の相克、友情など生徒に身近なテーマで、登場人物と自分を重ねることにより読書を通じて自己を考える端緒となる作品。その文学性や優れたストーリー展開を味わえる。
【選定理由】
アメリカの黒人差別の実態や歴史、差別解消運動も一様でなくさまざまな考え方があったことなどを知り、差別の無意味さや民族性保障の重要さを考える端緒になる。本が文化や知識の源泉であることがわかる点も良い。
【選定理由】
「シンドラーのリスト」に載った最年少のユダヤ人である著者の過酷な体験の証言を読むことにより、人の心を変えてしまう戦争の怖さ、過剰な民族主義の愚かさについて学び、現代社会を考える端緒となる。
選定コメント:公益社団法人 全国学校図書館協議会
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課題図書(読書感想文)は、子どもや若年層に本に親しんでもらい、読書の楽しさや感動体験を通して読書の習慣をつけられるよう、毎年選ばれています。
世の中には沢山の本がありますが、子どもたちにどんな本を勧めたらよいか、迷ってしまうこともありますよね。
課題図書(読書感想文)に選ばれる作品は、
・発達段階に応じて楽しめる
・深い感動や新しい認識を与えられる
・他者を尊ぶ気持ちが貫かれている
・児童生徒の興味関心をひく内容
・流行りに迎合的になりすぎていない
・ノンフィクションは事実に基づいている
など、安心して子どもたちが読書を楽しめるものになっています。
次にどんな本を読もうかな?読ませようかな?と悩んだ時、ぜひ課題図書(読書感想文)の中から選んでみてくださいね。
本を読む楽しさが子どもたちに伝わりますように。