
【今日の1冊】2月11日 「チョコレート好きにはよくわかる!」

「今日は何の日?」「今日はどんな絵本を読もうかな?」
一日の始まりがワクワクするような絵本を毎日ご紹介します。
チョコレート好きの私としては無視できないんです…このお話。
● しょうがないよ、チョコレートって美味しすぎるんだもの。
チョコレート好きの私としては無視できないんです、このお話。
ジェニーは4才の女の子。明日は3才になる弟クリストファーの誕生日です。プレゼントを買いに、おかあさんとお買い物に行ったジェニーは、自分のおこずかいひゃくえんで素敵な箱に入ったこねこのチョコレートを買います。
帰ってきてジェニーはプレゼントを自分の部屋のタンスに隠します。ところが・・・夜ベットに入っても寝付けないジェニー。タンスの中のチョコレートが気になって仕方ないのです。とうとう「ひとつなくなってもクリストファーは気がつかないわ。」と口に入れてしまいます。なんて甘くておいしいのでしょう!ベットに戻ってしばらくするとまた頭にこねこのチョコレートが浮かんできます。もうひとつ、もうひとつと食べているうちに・・・とうとう全部なくなってしまいます!どうする、ジェニー?
何か読んでいても他人事とは思えないのです。ひとつ食べる事に葛藤する健気なジェニー(でもチョコレートはおいしいもんね)、結局最後まで食べ終えて気持ち悪くなっちゃうジェニー。そして次の日の落ち込む姿は見ていられません。とても子どもらしい失敗。そこを家族の温かい愛情で包み込み、最後にはちゃーんと丸く収まり、幸せな気分になれるのでほっとします。
お話会で人気のあったお話が絵本になった様です。子ども達の、手に汗握りながら真剣に聞いている様子が目に浮かびますね。ついでに大人になっても身に覚えがあってあせっちゃったりして。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
「こねこのチョコレート」
作:B・K・ウィルソン
絵:大社 玲子
訳:小林 いづみ
出版社:こぐま社
ジェニーは4歳の女の子。明日は弟のクリストファーの誕生日です。ジェニーはプレゼントに、こねこのチョコレートを買いますが、その晩、そのチョコレートが気になってしかたありません。
“食べちゃだめ”とわかっていても、「ひとつだけなら」「もうひとつだけ」と食べてしまう様子は、子どもそのもの。最後はほっと胸があたたかくなる結末です。
しょうがないよ、チョコレートって美味しすぎるんだもの。
ジェニーは弟思いのしっかりしたお姉さん。
お母さんが弟の誕生日プレゼントのおもちゃを買うときも、私も!なんて駄々をこねたりせず、
自分のお小遣いで弟にチョコを買ってあげるなんて、優しいなぁ。
○○ばっかりずるい!ばかり言う我が家の兄弟に見習ってほしい、と思っていたけれど、
ジェニーだって、やっぱりまだ4歳の女の子でした。
チョコレートがどうしても食べたくて眠れなくなり・・・。
ジェニーの葛藤や後悔で泣きたくなるような気持ちの描写が丁寧であまりにリアル。
遠足のチョコを我慢できずに夜こっそり食べ、当日飴だけだった遠い日の記憶が蘇り、
冷や汗をかきながら読みました。
ジェニー、しょうがないよ。だって、チョコレートって美味しすぎるんだもの。
ジェニーの家族が素敵です。
失敗を責めるのではなく、落ち込んでいるジェニーの気持ちをちゃんと寄り添っていて、暖かい気持ちになります。
まさかのハッピーエンドで子ども達もニコニコでした。
(読み返すとちゃんと伏線があるんですよ)
前半が少し長く感じましたが、
途中からハラハラさせられ通しでした。
年中さんから小学校低学年位のお子さんにおすすめです。
(ランタナさん 30代・ママ 男の子8歳、男の子5歳)