11歳の女の子セシーが初めて会うおじいちゃん。おじいちゃんが恐れているシャングリラとは? 過去にやり残した仕事とは……? 親と子、祖父と孫の絆を温かく描き、感動をよぶイギリスの物語。
モーパーゴの小説では、戦争と家族愛が良くテーマとされます。
この本の柱になるのは、父親と息子の対峙です。
幼いころに実の父と別れ、母と新しい父が死んだために孤児院で育ったというセシーの父親。
セシーの父親の父親、おじいちゃんが突然現れます。
この本は、「父親に捨てられた子ども」と「子どもと別れたまま消息不明だった父親」の深い溝を骨格に、戦争、家族、介護施設…と、さまざまな社会要因を盛り込んだ力作です。
作中にビートルズナンバーがふんだんに出てくるのも印象的でした。
家族とは何かというテーマだけではなく、さまざまな教示が盛り込まれた作品。
感じる、考える要素は満載です。
(ヒラP21さん 60代・パパ )
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