
ハッチさんは一人暮らし。くつひも工場で働いています。誰も友だちを作らず、朝起きて、工場で働き、毎日変化のない同じことを繰り返す日々を送っていました。そんなある日、ハッチさんに思いがけない贈り物が届きます。それは大きなハート型の箱に入ったバレンタインのチョコレート。「あなたが好きです」というメッセージも一緒でした。送り主は誰だかわかりません。でもその日から、ハッチさんは180度大変身。明るくなり、友だちもたくさんでき、誰からも慕われる人気者になりました。ところが数日後、その贈り物は間違って配達されたことがわかり……。
人気作家スピネリのバレンタイン絵本。残念ながら日本では重版未定なので、古書店で探しました。米国の小学校や図書館で、バレンタインと言えばこの作品が上がります。91年初版の比較的新しいバレンタイン定番絵本ですね。淋しいハッチさんと周りの人々の友情を描き、最後は心温まります。邦訳用に画家のヤロウィッツが新しく表紙を描き直しました。原書の方が、ピンクの巻きリボンがにぎやかな、バレンタインらしい表紙です。
息子はすでに学校で読み知っていましたが、一昨年あたりのバレンタインに原書を彼に送りました。絶対、日本語でも読んでみたいと思い、ずっと探してやっと先週手に入れることができました。
物語からはスピネリらしい内容の濃いメッセージが伝わってくるし、イラストもすてきだし……、どうして重版未定なのかなと疑問に思います。 (ムースさん 40代・ママ 男の子9歳、女の子4歳)
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