ピュウ〜ッ!
風に空高く飛ばされた給食の献立表を手にしたのは、雲の上で暮らす小鬼たち。
「シチュー、フルーツポンチ……。よだれが でそうな なまえだ」
彼らは鬼の世界で食事をつくっているのですが、人気がないのです。そこで、給食を食べに小学校へ行くことに。
「少しだけわけてあげるから、給食の時間まで、ここにかくれているんだよ。」
気がついた子どもたちに言われた小鬼は、教室の中でじっと待っている……はずだったのに。給食室からガラスの割れる大きな音。
「いただきまーーーす!」
そこにいたのは!?
さあ、みんなが楽しみにしていた給食が大ピンチ!シチューが美味しいのはわかるけれど、すべて食べられてしまうわけにはいきません。恐ろしい姿の鬼たちに立ち向かっていくのは、子どもたちの勇気とアイデア。
読んでいるうちに胸がアツくなるこの絵本、作者はその絵を一目見てわかる人も多いであろうシゲリカツヒコさん。そのダイナミックな画面展開、子どもたちの豊かな表情の可笑しさと愛らしさ、そしてなんといっても最後までハラハラさせてくれる緊張感あふれたストーリー! あっという間に夢中にさせてくれます。本文に書かれていない部分まで想像しながら、何度も楽しんでくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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■子どもたちの勇気とアイディアに胸がアツくなるユーモア絵本!
「愛おしさ、怖さ、微笑ましさ、爽快感。絵の中に全部があります」
(『大ピンチずかん』『しごとば』作者・鈴木のりたけ)
*
ピュウ〜ッ!
「あーっ!!」
つよい かぜが ふいて、きゅうしょくの こんだてひょうが とばされてしまいました。うけとったのは くもの うえで くらす こおにたち。
「シチュー……。よだれが でそうな なまえだ」
「よし!」
こおにたちは、きゅうしょくを たべに しょうがっこうへ いくことにしました。
みんなの きゅうしょくが だいピンチ!
こおにたちから きゅうしょくを とりもどせるの!?
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