激しく降る雪、風。
吹雪の中で今まさに消えゆく幼い命を助けようとするのは、冷たい雪を降らせる妖精、雪童子 。
ひゅうひゅうひゅう、ひゅうひゅう。
雪童子たちが巻き起こす雪風はますます強くなり、やがて子どもは力尽き起き上がれなくなります…
それは、あっという間の出来事でした。
やり方は少し乱暴だったけど、夜が明けるとおとうさんが探しに来て、子どもは無事助かります。
「あの子どもは、ぼくのやったやどりぎをもっていた。」
と、泣くようにつぶやいた雪童子。
子どもが離さずにしっかりと持っていた事が、よほど嬉しかったのですね。…優しいね。
冬の厳しさ雪山の恐ろしさを感じながら、最後は心がほっと温かくなる作品。
黒井健さんの透き通った深みのある絵も魅力的な一冊です。