狂言えほん(4) かみなり」 渡”邉恵’里’さんの声

狂言えほん(4) かみなり 作:内田 麟太郎
絵:よしなが こうたく
出版社:ポプラ社
税込価格:\2,200
発行日:2008年12月
ISBN:9784591106891
評価スコア 4.58
評価ランキング 5,634
みんなの声 総数 25
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  • 【内容】
    天から落ちて、したたかに腰を打った雷様が、通りすがりの藪医者に治療してもらう。藪医者は、適当に元気よく針を打ち込み、奇跡的に直してしまう。そして、雷様に治療代をもらう代わりに、悪天候や異常気象をやめてもらうという約束をとりつける。
    狂言の物語を、迫力満天の絵で再現した絵本。

    【感想】
    これは、スゴイ作品である。雷やお化けが嫌いな子どもは、トラウマになるかもしれないので、気を付けましょうね。スゴイ迫力です。雷の音が聞こえてきそう。
    昔から「地震、雷、火事、オヤジ」という怖いものランキングがあるが、最近は雷とオヤジの恐ろしさは忘れ去られてしまっていた感があった。しかし、この絵本によって、雷とオヤジの恐ろしさが見直されると思われる。
    しかし、一番恐ろしいのは、藪医者である。堂々とインチキ治療をして、厚かましく代金を請求している。絵に描かれている通り、どう見ても、遊びに行くとしか思えない「医者の道具類」であり、上手いのは口先だけである。
    やはり都会でも仕事にあぶれる人は、それなりの理由があるのだろうな…
    私は子ども時代からへそ曲がりだったので、きっと現役(の子ども)時代に、この絵本を見たのなら、仕事にあぶれる医者にいろいろな鋭いつっこみをいれていたと思われる。やはり生き抜くには、このように堂々と厚かましく、生命力をたくましくしないとやっていられないのだ。仕事ができなくても全く問題ない。世渡りと度胸と、ラッキーだけで生き抜いているような藪医者である。

    このような現代にも十分に通じる藪医者の問題を、狂言を作った当時の人々がすでに提示していたことが、驚きである。
    地震、雷、火事、オヤジの「オヤジ」とは、父親ではなく、「藪医者」を始めとするロクでもない大人だと、初めて分かった。大変勉強になりました。

    投稿日:2017/07/27

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