表紙絵の白い犬の姿が印象的です。
まさに、桜の花となった様子がドラマティックです。
有名な昔話ですが、いくつか初見のエピソードもあり、
興味深かったです。
まずは、白い犬を育てている場面。
食べさせた分だけ大きくなるところは、桃太郎などの成長譚とよく似ています。
次に、灰が花を咲かせると知ったエピソード。
たまたま屁をこいて、灰が枯れ木に触れて咲いた、なんて、
大らかな展開です。
かみのじいさまは、いいじさま。
しものじいさまは、いじわるじさま。
この対比も最後までお見事です。
何より、終始慈愛に満ちたかみのじいさま夫妻の姿が清々しいです。