子どもたちが犠牲になる、事故や事件が多発し、
子どもには、人間不信になるようなことを教えなければなりません。
せめて、おはなしの中では、人間っていいものなんだと思わせてあげたいです。
読み終わって、ほっとする絵本を読んであげたいです。
このおはなしは、いろいろな方が絵を描かれていますが、
黒井健さんのこの絵でないとダメと思うくらい、
この絵に惹かれてしまいます。
表紙のお母さんきつねが、こぎつねの手を優しくそっと包んで、
人間の手にかえている絵は、見れば見るほど、お母さんきつねの愛情が、
こぎつねの信頼心が、あふれてきて泣いてしまいそうになります。
わが子をもう大きくなるまで、一人でおつかいにも出せなかった私には、
お母さんきつねの心配で、不安で、情けない気持ちがよく分かります。
こぎつねの手のぬくもりに、無事で帰ってまたこの手にさわれますようにと、
祈っていたに違いありません。
子どもの頃は、こぎつねの気持ちで読んでいたのですが、
子どもを授かってからは、母の気持ちで読んでいます。
おばあちゃんになったら、どんな気持ちで読むのでしょう。