穏やかな時間が流れる絵本です。
ある夜眠れなくなった女の子が、こっそり屋上に毛布や枕を運び込んで
月の光に照らされた夜景を見ながら眠ります。
そんなことを思いつく女の子もユニークでいいのですが、
もっとすてきなのはそれをこっそり見守るお母さん。
さいごのページで、眠りについた女の子の横でカップ片手に
輝く月を見上げるお母さんの姿がとてもいいです。
女の子の自主性をだいじにし、口は挟まず、でも背中からそっと
見守る姿勢。
そしてついでに自分も、いつもとは違う時間を楽しんでしまう余裕。
かくあれたし。
ここちよい余韻の残る1冊です。