中国に王伯、王母という夫婦が毎日仏様にお願いしてやっと授かった「天鼓」ですが、鼓を持って逃げた罪で帝に呂水に沈められました。父親の王伯にすれば、やっとの思いで授かったわが子が処刑されて、天鼓が命より大切にしていた鼓を打ってみよと言われても、天鼓の鼓を打たなければならない悲しさや苦しさが伝わってきました。王伯は、鼓を手にすると、天鼓をいとおしむように心を込めて打ったから誰にも鼓は、音色をかなでようとしなかったのに、美しい音色をかなでました。帝は、王伯の打つ、心に染み入るような鼓の音を聞き、涙を流しました。そして天鼓の弔いをすることになって、天から楽しげな歌声が近づいてきて音楽に惹かれて天鼓が現れました。とても無邪気な天鼓ですが、私には弔いをしてもらっても帝には、憎しみだけが残りました。