主人公の「風来坊」さんはとてもごつくてインパクトがあります。
でも、とても心優しいお坊さんです。
たまたま、目の前で不幸な死を遂げた女性のために、自分が何もできなかったことを嘆いて、ひたすら仏像を彫る姿はかっこよかったです。
川端さんの作品ですからどの絵もはっきりしていて遠目がききます。
言葉も簡潔で読み易いです。
ただ、「お坊さん」が主人公で、江戸時代の身分制度の理不尽さを嘆いている作品なので、今の子どもたちには実感として理解しにくいかもしれません。
読み聞かせに使うなら、一緒に持っていく作品にもちょっと気を付けて、
「さくらの里…」を飲み込みやすくするものを選んでいくといいかもしれません。