昔話がその後どうなったのかはとても興味があるところです。
それを考えると、この『それからのおにがしま』はヒット絵本です。
桃太郎に退治された鬼はおとなしくなり、鬼が島は「平和」になりました。
なんだか戦後の日本のような気がしました。
敗戦国の骨を抜かれたような天下泰平。
日米関係と社会復興。
でも、そんな読み方をしていたら、戦後が昔話となった今、続編の『さらにそれからのおにがしま』は、結構辛口の内容になるのではないかと思ってしまいました。
少し卑屈になってしまった鬼たち。
桃太郎の世界が、侵略ではなく友好的に入り込んできます。
みんなで仲良く暮らせる鬼が島です。
でも、「ももたろう」の紙芝居を見ても、自分のことだと思い出せなくなった老後の桃太郎。
このほのぼのとした世界は大切でもあり、理想の社会でありましょう。