むかしむかし、一人の若者が旅をしていると
急にあたりが暗くなり、鬼が現れた。
「うまそうだ。まだ人を食ったことがない姫に食わそう」
お食い初めの鬼の親子から逃げるため若者は知恵をしぼり・・。
お食い初めをしようだなんてつくづく子供思いの鬼!
曲がったことが嫌いな鬼も娘が泣かされたとあらば、
そんなことには構っていられない。
子供を思う気持ちは人も鬼も一緒ですね。
若者の言葉にすぐにのる鬼や姫の様子が思わず笑いを誘います。
ずいぶん滑稽かつ人間くさい鬼だなと思ったら、このお話は狂言をもとに作られたそうです。
井上さんの独特のタッチの絵がストーリーの面白みを大きく増していました。