ジョン・バーニンガム絵本原画展に行ってきました。
イギリスの大人気作家ジョン・バーニンガム。英国で優れた絵本作家に贈られる「ケイト・グリナーウェイ賞」を2度も受賞されているんですね。今年は、絵本作家としてデビューして45周年、それを記念して本格的な原画展が大丸ミュージアム・東京店にて開催されました。(2008年1月31日~2月18日)
私も、バーニンガムの自由奔放な画風、ユーモア、そして子供への深い理解に基づいた優しさ・・・そういうものに溢れている彼の絵本が大好きなのです。(「ALDO・わたしだけのひみつのともだち」が一番好き。)
今回は、悲鳴が上がりそうな程の沢山の原画が一同に揃っていましたよ。
その上で、人間味溢れる絵本作家バーニンガムの半生、魅力的な人柄など触れる事のできる、
ファンにはたまらない展覧会でした。
(展覧会の開催に合わせて創られたこの本に殆ど収録されています。)
冒頭、センダックからバーニンガムに贈られた言葉から始まり、
子供の頃の写真や、奥様(ヘレン・オクセンバリー)と出会った頃の写真、
絵本を描く前の作品などなどが、バーニンガム本人から語られている言葉と共に
紹介されており、とっても興味深い内容になっています。
勿論、絵本も沢山紹介されており、エピソード付きで本人が語ってくれています!
これは読まなきゃ損!
展覧会の様子ですが・・・
まずは、大胆な絵の具の使い方がとっても魅力的なデビュー作がこちら↓
この絵本は、バーニンガムの絵本作家人生の始まりと共に、世界的な絵本黄金時代の
幕開けのきかっけにもなった作品だそうです。確かに迫力あります。
世界はこんな作品を待っていた・・・と言わんばかりの受け入れられ方だったそうですよ。
ケイト・グリーナウェイ賞を受賞しています。
それから打って変わって、美しい四季の移り変わりや自然の美しさを描いた「はるなつあきふゆ」。
続いて「ガンピーさんのふなあそび」。
バーニンガムが、自分の外見が、日々ガンピーさんに似てきている・・・と自覚しているのがちょっと可笑しい。
「ねえ、どれがいい?」「おじいちゃん」
「いつもちこくのおとこのこ」「ALDO・わたしだけのひみつのともだち」
と続いて観ていくと、繊細な描写や大胆な素材使い、心の内的表現などがどんどん混ざり合わさっていく様子が分かり
とても見応えあるのです。描いてある絵を、はさみで切って違う画面に貼ってあったり・・・なんてやりとりが見えて、
バーニンガムの自由奔放な描き方を垣間見る事が出来た気分にしてくれます。
そして、異素材を組み合わせる・・・といった点で、最もインパクトがあって印象的だったのがこの絵本↓
「くものこどもたち」
雲の写真も全部バーニンガムが撮ったそうです。結局、絵で描くよりも大変だったそうで・・・。
この絵本が伝えたかった事は、結局本人も明らかにしていないのですね。色々な捉えかたが出来る絵本です。
個人的に嬉しかったのは、
「おじいちゃん」のモデルとなった末娘のエミリーと彼女のおじいちゃんが一緒にピアノを弾いている
写真が見られたこと。(本にも掲載されています。)ツーショットを見ただけで、うるっと来てしまいました。
実際の会話も絵本に使われているそうですよ。ちなみに「アボガド・ベイビー」もエミリーがモデルだそうです。
「おじいちゃん」
最後の部屋には、テレビでインタビューの様子が流れていました。
あんなに可愛らしくユーモアたっぷりの絵本を描かれているのに、
朴訥とした雰囲気で語るそのギャップ。でも、家族の話になると出る奥ゆかしい笑顔も素敵でした。
そして、その後アニメでガンピーさんが流れてきて、そのあまりにも平和的な雰囲気に
思わずコクン、コクン・・・(ごめんなさい!)気持ちよすぎるひと時でした。