フルート界で人気の《ソナタ》に加え、ポピュラー音楽のスタイルによる小粋な小品《スージー》を収録。《スージー》は任意の旋律楽器とピアノのために書かれた3分ほどの小品で、ペンネームの「エマン・バルツァー」名義で発表された。ピアノ・パートの最上声部が旋律パートと重なっているため、ピアノ独奏でも演奏可能である。
大嶋義実による解説は、これまで日本語の資料が少なかったシュールホフの生涯と音楽を受け止めるための、貴重な手がかりとなるだろう。プラハの裕福な家庭に生まれながらも第1次世界大戦を兵士として戦い、第2次世界大戦時にはナチスによって「退廃音楽」の烙印を押され、動乱の歴史に翻弄された音楽家の存在に肉薄する。併せて、演奏上のアドヴァイスも掲載。楽譜に向き合う際の具体的な手立てを紹介する。
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