今、和食が世界的にブームになっている。その和食には、ビールや酒が共に楽しまれてきたが、ワインの展開は僅かである。これは、和食の世界にソムリエが少なく、ワインを取り込み、提供する努力がなされていないためである。ワインを味わえる和食店は増えているが、洋食の世界ほどの深い考察は未だなされていない。
本書は、寿司屋の次男でピアニストの最上形造が、実家の寿司屋を始めとして、天ぷら、しゃぶしゃぶ、うなぎ、会席料理などさまざまな和食にワインを取り込んでいくストーリーである(今回は寿司)。
形造は、ドイツベルリンの音楽大学に留学した経験があり、ドイツワインを愛飲している。それ故ワインはフランス産やイタリア産ではなく、ドイツ産がテーマとなる。これは著者自信が、40年以上に渡り、ドイツワインを業としており、和食の最高のパートナーはドイツワインだと思っているからでもある。
お食事と一緒に飲むだけのワインではなく、お寿司をよりおいしく食べるためのお醤油やお塩、レモンの代わりとなるワインであり、まさに新感覚のグルメである。
今後、このシリーズは多くのグルメファン(特に和食の)の関心を喚起するものと思う。
世界的にブームである和食と、ドイツワインをテーマにした本書は、英語版も同時に楽しめる。
日本語版の漫画を翻訳し、表4(裏表紙)から英語版で楽しめる仕組みになっている。今後、オリンピック・パラリンピックで、日本に関心を持っている外国人へも、和食の新しい楽しみ方として伝えていくねらいでもある。
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